AI搭載の人型ロボットがオーケストラの演奏とともに歌唱する舞台作品「渋谷慶一郎 アンドロイド・オペラ『MIRROR』―Deconstruction and Rebirth―解体と再生―」。5月に行われる初の大阪公演を前に記者発表会が開かれ、制作者の音楽家・渋谷慶一郎さん、“主演”するAI搭載の最新人型ロボット、さらにベテラン漫才コンビの海原はるか・かなた師匠が登場、おなじみのネタを交えてPRした。

同作は、音楽とテクノロジー、人間と機械、伝統と革新、生と死を問う意欲作。5月16日(土)、フェスティバルホール(大阪市北区)で開催される。これまでドバイ万博(2022年)、パリ・シャトレ座(2023年)、東京・サントリーホール(2025年)で上演、国内外で高い評価を得てきた。

舞台の中心には、渋谷さんが開発したAI搭載の人型ロボット「アンドロイド・マリア」が立つ。マリアは53のモーター駆動関節を備え、まばたきや指先の動きなど、人間のようなこまやかな身体表現を行うことができる。また内蔵カメラとマイクにより観客の存在を認識、多言語による対話や即興的な歌唱が可能な次世代のアンドロイドだ。外見は古代から現代に至る女神像や菩薩像のAI学習デザインを基に造形、下半身を覆う無数のチューブ状のフォルムは生命などを象徴している。顔立ちやキャラクターは渋谷さんの亡き妻・マリアさん(2008年死去)がモデルとなっている。
「MIRROR」では、大阪フィルハーモニー交響楽団の演奏に加え、高野山僧侶が声明で共演する。ピアノとエレクトロニクスは渋谷さんが担当。AIと人間の声、音楽、映像、電子音が融合し、それぞれが響き合う独自の世界を作り上げる。

大阪市内で開かれた記者発表会には、渋谷さんとともにアンドロイド・マリアも登場。渋谷さんは「MIRROR」の制作意図について、「1200年の伝統がある声明と、新しいものであるアンドロイドを掛け合わせ、その間に西洋のオーケストラが入ったら新しい調和が生まれるかもしれないと考えた」と説明。「どうせ世界が終わるのであれば、終わった後の世界のシミュレーションをステージ上でやって、それが美しければ、私たちにとって多少ポジティブな要素になるのではないか」と語った。

発表会には、上方漫才のベテランコンビ、海原はるか・かなたの2人も駆け付けた。かなたさんがはるかさんの髪の毛を吹き飛ばすおなじみのネタを、マリアに向けて披露。その上で「好みのタイプはどちらか」と質問すると、マリアは「むっちゃ迷うわ。どっちも魅力あんねん」と言いつつ、「はるかさんの髪の動きが好きやねん」と答えた。





