姫路城の大天守に鎮座する「鯱鉾」 実はこの城だけの“秘密”がある? 国宝のトリビアを識者が解説

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 兵庫県を代表する観光スポット、国宝「姫路城」。1993年には世界遺産に登録されました。現存する5重6階の天守閣は、池田輝政が1609年に完成させたもの。白漆喰で塗り込められた外観はまるで羽根を広げる白鷺の群れに見えることから「白鷺城」とも呼ばれています。数々の戦火をくぐり街に鎮座する姿は壮麗そのものですが、聞くところによると「意外なトリビア」が存在するのだとか。姫路市の姫路城管理事務所・担当者に取材しました。

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 トリビアの主は「鯱鉾(しゃちほこ)」。雌雄が存在し、口を開けているのが「オス」、閉じているのが「メス」です。モチーフになっている鯱とは、体は魚で頭は虎という想像上の生きもの。火を見ると口から水を吐くとされていることから、“火災除けのまじない”として、古来より寺院建築などで雌雄ペアで飾られていました。

空想上の生きもの「鯱」(イメージ)

 この“雌雄ペア”というところに、姫路城ならではのトリビアが。なんと、大天守に据えられているのは「すべてメス」だというのです。一体なぜなのでしょうか?

「昭和の大修理の際に、大天守の鯱鉾も新調することになりました。ところが、元となる築城時のものが残っていなかったのです。そのため、現存最古と判明していた西側大千鳥破風の「貞亨四年」在銘のものをモデル(型)として制作しました。しかしそれがメスだった。結果、大天守はすべての鯱鉾がメスになったのです」(担当者)

 オスが設置されていた時期の有無については、「昭和の大修理以前には他の城郭と同様に雌雄ペアで飾られていたのかもしれませんが.....明確な根拠資料は残っていません」と担当者。

大天守の鯱鉾(画像提供:姫路城管理事務所)

 大天守は50年に一度のペースで維持修理を行います。残りの81棟は30年周期とのこと。大天守に比べやや早めのペースなのは「過度の劣化進行防止」「継続的な材料調達」「伝統技術を保存継承」といった目的があるそう。具体的には漆喰塗替え・瓦破損部差替え・木部の劣化部補修などを行うのだとか。

姫路城外観(画像提供:姫路城管理事務所)

 近年、災害等が多発しているという面から防災対策にも力を入れているといい、担当者は「将来的には、往時に存在していた御作事所出丸と内堀の復元整備を行いたい」と述べ取材をしめくくりました。

城見台公園の鯱鉾(画像提供:姫路城管理事務所)

(取材・文=長塚花佳)

※ラジオ関西『Clip』水曜日 2026年1月21日放送回より

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