日本の暦「二十四節気」は、自然の変化を細かく区切り、季節の移ろいを表してきました。2月は、その始まりにあたる「立春」と、雪が雨へと変わる「雨水」を迎え、暦の上では春へと向かう節目の時期です。
こうした暦の意味や、2月の過ごし方について、播磨国総社射楯兵主神社(兵庫県姫路市)祭務部の尾崎祐彦さん(※崎は「たつさき」)に話を聞きました。

今年の立春は2月4日から18日まで。二十四節気のスタートにあたり、「春の始まり」を告げる節気とされています。同じ「春」の字が使われる春分が春の真ん中にあたるのに対し、立春は冬至と春分の中間に位置し、季節が動き出す合図とされてきました。立春を迎えても寒さは続きますが、日没の時刻が少しずつ遅くなり、自然の変化を感じられるようになるといいます。
立春から春分にかけての時期に、条件がそろえば観測されるのが「春一番」です。「日本海を進む低気圧に向かって強い南風が吹き、気温が上昇する現象を指しますが、必ずしも毎年起こるものではなく、観測されない年もあります」と尾崎さんは話します。
また、立春の前日である節分は、季節の変わり目として古くから大切にされてきました。豆には邪気を払う意味が込められ、豆まきや縁起物を通して、新しい季節を迎える準備をする風習が各地に残っています。神社の境内でも、節分を境に正月の空気から春へと移り変わる様子が感じられるといいます。

立春からおよそ2週間後に迎える次の節気が「雨水」です。今年は2月19日から3月4日までにあたり、雪が雨へと変わり、氷が解けて水となる頃を意味します。寒い日と暖かい日を繰り返す「三寒四温」の時期でもあり、少しずつ春の兆しが具体的に現れ始めます。
雨水の頃は、水が生命の始まりを象徴するとされ、古くから縁起の良い時期と考えられてきました。雛人形をこの時期に飾ると良縁に恵まれるという言い伝えも、季節の移ろいと暮らしが結びついていたことを物語っています。
播磨国総社射楯兵主神社では、2月に節分祭をはじめ、五穀豊穣や無病息災を願う祭事が続きます。立春を迎え、暦の上で春に入ることで、農耕の始まりや一年の実りを意識する行事が行われてきました。こうした神社の営みは、地域の人々が季節の節目を感じる機会にもなっています。
暦は、日付を知るためのものではなく、自然と向き合い、暮らしを整えるための目安でもあります。寒さの中にも春の気配が感じられる2月。二十四節気と地域に受け継がれてきた行事を通して、季節の流れに目を向けてみるのも、一つの過ごし方かもしれません。

(取材・文=洲崎春花)
※ラジオ関西『谷五郎の笑って暮らそう』2026年2月1日放送分より




