姫路信用金庫 25年12月期「景況レポート」 先行きは慎重な見方も、地域経済は底堅さを維持

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 姫路信用金庫(本店:兵庫県姫路市十二所前町105)はこのほど、取引先企業の景況感を調べる「景気動向調査」を行い、結果を「ひめしん景況レポート(2025年12月期)」として発表した。調査は12月上旬、取引先450社を対象に実施、449社から回答を得た。対象期間は、25年10月から12月までの3か月間。

姫路信用金庫本店
姫路信用金庫本店

 同金庫の調査は1975年から四半期に一度実施しており、今回が201回目。対象は兵庫県播磨地域から明石市・神戸市にかけての企業で、「製造業」と「非製造業(卸売/小売/運輸・サービス/建設/不動産)」の計6業種に分けて行う。対象のうち87%以上が従業員50人未満の規模と、中小企業や地場産業の業況を反映した調査となっているのが特徴。

 調査の結果、全体の業況判断DI(景況が「良い」と感じている企業の割合から「悪い」と感じている企業の割合を引いた指数)は、全業種の総合で前期(25年7-9月期)から4ポイント増の▲1と改善した。

2025年12月期の「ひめしん景況レポート」
2025年12月期の「ひめしん景況レポート」

 業種別で見ると、「製造業」は前期から3ポイント増の▲1と、2四半期連続で改善となった。「非製造業」は前期から5ポイント増の0となり、運輸・サービス業を除く4業種で改善した。同金庫の担当者は「現在はコロナ禍以前の景況感に戻りつつあるものの、依然として海外情勢は不安定で、国内でも物価高騰や円安進行への不安から状況は停滞している」と述べた。

「製造業」は2四半期連続で改善した。21業種中、食料品や一般機械器具など7業種で改善し、悪化したのは輸送用機械器具や電気機械器具など7業種だった。改善した業種には、積極的な設備投資により機械化を図り、効率的な現場環境を整備した結果、受注が増加しているなど(一般機械器具)生産性の向上に向けた取組みを行う企業も見られた。悪化した業種の中には、米国による関税の影響を受けた業種(鉄鋼業)もあった。来期の予想業況判断DIは▲4と今期から悪化する見通し。

「非製造業」は卸売業、小売業は改善、建設業は2四半期連続の改善、不動産業は大幅改善したものの、運輸・サービス業は悪化した。来期の予想業況判断DIは、卸売業は3ポイント増で改善、他4業種は4~11ポイント悪化の見通し。不安定な海外情勢や、経費の増加による利益率の低下、人員不足が課題となっている。

 さらに「2026年(令和8年)の経営見通し」をテーマに特別調査を実施。「2026年の自社の業況(景気)をどのように見通しているか」との問いに、「悪い」とした回答割合は28.5%となり、「良い」の回答割合9.8%を大きく上回った。また、政府から2027年3月末までに約束手形の利用廃止、小切手の全面的な電子化の方針が示されているなか、「現時点で、企業間の資金決済の手段として、紙の手形・小切手を使っているか」との問いには、「使っている」の回答割合が58.4%となり、「使うのをやめた」の回答割合40.5%を上回った。

 同金庫の三宅理事長は、「劇的な変化はないものの、底堅い経営環境が維持されている」とした上で、「金利上昇や物価高など厳しい環境が続くなか、細かな課題は山積している。地域金融機関として企業の実情に寄り添いながら支援を続けていきたい」と述べた。

(取材・文=洲崎春花)

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