3月8日(日)から開幕した大相撲・大阪場所。毎回テレビ中継を見ていると、「結びの一番」が終わるのはいつも18時直前です。なぜいつも同じ時間に終われるのか、その調整術を日本相撲協会に聞きました。

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さっそくタネ明かしをすると、ほぼ同じ時間に終了する裏側には、土俵の進行を司る「進行係」の親方たちの存在があります。全員が時計を持ち、頻繁に時間をチェックしながらスケジュールを管理しているのだそう。
そもそも地上波において大相撲の放送終了時間は、きっかり18時と決まっています。多い時には200もの取組があり、その取組が白熱してもあっけなく終わっても放送時間内に収まるのは、親方らの努力の賜物なのです。
具体的にどんなことをしているのかというと、協会によれば「制限時間で調整している」とのこと。
制限時間とは、力士が立ち合いで仕切り直すために与えられた時間のことで、取組において唯一長さを変えられるのです。時間幕内の制限時間は4分と定められてますが、これはあくまで「最大時間」。全体の進行が遅れている場合は呼出しや行司に指示を出し、制限時間いっぱいになる前に「待ったなし」をかけることで時間を短縮します。進行が早すぎる場合は、あえて制限時間をギリギリまで使わせたり土俵の掃除を丁寧に行ったりすることで調整しているそう。

この制限時間は1928年のラジオ放送開始に合わせて導入されたといい、江戸時代の相撲には無いものだったとか。近代に入り相撲がメディア中継されるようになり、“公共放送”という枠組みの中でいかに視聴者を飽きさせずかつ時間内に収めるかを考えて生まれたものだそうです。
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かつては結びの一番の途中で放送が終了してしまうという、視聴者にとって消化不良な事態も起きていました。ですが、現在は中継技術の向上と協会側の連携が強化され、18時の時報とともに中継が締めくくられるという完璧な時間管理が実現しています。

(取材・文=堀田将生)




