コウノトリで知られる兵庫県豊岡市には、全国で唯一の“かばんの神様”と言われている神社があるそうです。一体どんな場所なのか取材しました。

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かばんの神様と呼ばれているのは「柳の宮神社」。崇神天皇の時代に創設されたとも考えられている、歴史ある小田井縣(おだいあがた)神社の境内に鎮座しています。ですが、もともとは「杉森神社」という名だったそう。

現在の名になった理由には、豊岡の伝統文化が関係しています。豊岡やその周辺地域には、柳の一種・コリヤナギや籐(とう)を用いた「豊岡杞柳細工(とよおかきりゅうざいく)」という木工品が古くから存在しており、1992年に「伝統的工芸品」として国から指定されています。
杉森神社だった当時、周囲には良質なコリヤナギが群生していたといい、それを使い完成させた「柳行李(やなぎごうり)」が人々の間で好評を博します。これを受け、杞柳産業関係者は1935年に社殿を新築。柳の宮神社と新たな名を付け祀ったのです。

杞柳産業は鞄産業に派生・発展し、いつしか神社はかばんの神様として崇敬されるように。このことについて神社の担当者は「ご祭神自体が鞄に関連していたわけではなく、人々の信仰によって今のようになった」と話します。
ちなみに、毎年3月12日(さいふの日)と8月1日には豊岡鞄協会が主催する「鞄供養祭」が行われます。愛着を持って使われつつも、その役目を終えた多くの鞄が全国各地から届けられるそうです。
(取材・文=長塚花佳)
※ラジオ関西『Clip』水曜日 2026年3月25日放送回より





