サッカーのThe KSLアストエンジ関西リーグが4月11日に開幕する。昨シーズン、関西1部で3位、全国社会人サッカー選手権大会で準々決勝敗退に終わったCento Cuore HARIMA(チェント・クオーレ・ハリマ)は、チーム名を一部変更。イタリア語で心を意味する「Cuore」を複数形の「Cuori」に変え、「Cento Cuori Harima」(チェント・クオーリ・ハリマ)として新シーズンに挑む。
昨年、運営会社がセンサーライトなどを製造・販売する株式会社ムサシ(本社・兵庫県加古川市)に変更。その2シーズン目での名称変更ならびにロゴ刷新について、クラブはプレスリリースで「チーム・クラブを媒介として、選手はもちろん地元市民まで含めたステークホルダーがいかに多様でいきいきとした人生を送れるか。それを選手たちがいかにフットボールで具現化できるか。その多様性をあらためて表現しなおす」ことにしたからだと説明している。
心機一転の新シーズンに向け、2022年から同クラブで指揮を執る佐野裕哉監督(43)は「半分くらい選手が入れ替わる中で、チームに合う選手、コンセプトに合う選手をピックアップして来てもらったので、やりたいことの飲み込みだったり、理解だったりかすごく早い。いい補強ができたかなと思う」と手応えを口にする。
今季の関西1部は、日本フットボールリーグ(JFL)から降格した飛鳥FCや、サッカー元日本代表の播戸竜二氏(46)が社長を務めて大型補強や大々的なPRを展開するIKOMA FC奈良が参戦し、かつてない盛り上がりを見せている。
その点については、「注目度が高くなったのはすごくうれしい。カズ(三浦知良選手=現、J3・福島ユナイテッドFC所属)さんが入っていれば、もっと盛り上がったでしょうけど……」と佐野監督は率直な思いを述べつつ、「ただ、自分たちがやることはそんなに変わらない。もともと関西リーグはレベルが拮抗しているリーグ。逆に言えば、突出したチームがないので、(ハリマにも)非常に優勝のチャンスはあると思っている」と気合いを込める。
チームの課題は引き分けの多さ。昨年の成績は4勝8分け2敗(勝点20)で、過半数の試合でドローに終わったことが響いた(※1位・アルテリーヴォ和歌山、2位・FC BASARA HYOGOはともに勝点32)。勝点「1」を、1つでも多く「3」にすることが、優勝=全国地域サッカーチャンピオンズリーグ(「地決」)出場への道につながる。
Jリーグの名古屋グランパスや徳島ヴォルティス、V・ファーレン長崎、ギラヴァンツ北九州、カターレ富山などを渡り歩き、2024年から同クラブでプレーするMF花井聖選手(36)も「加入する前は正直、そこまでレベルが高くないのではないかと思っていたこともあったが、拮抗しているし、チームとして勝つことの難しさなどはJ1と大差ない」とコメント。
「どの試合で負けてもおかしくないし、逆に絶対に勝てる試合もないので、勝点をいかに上手に取っていくか。すごく難しいリーグだと思う」と打ち明けた上で「Jリーグは年間30試合以上を戦うが、(8チームが参戦する)関西1部のリーグ戦は14試合。引き分けでいいという試合はない。優勝するには勝ち切るのが一番大切」と力説。ファン・サポーターには、「これから必ず大きくなっていくクラブ。志を持っているので、ぜひ、試合を見にきていただきたい」と呼びかけていた。
一方、哲学者然とした佐野監督は、次のように自チームのフィロソフィーに言及する。
「間違いなく、楽しいサッカー、おもしろいサッカーをする。おもしろいサッカーとは、多くの人が言うが、どんなサッカーなのだろうと考えてきた。逆に言うと、つまらないサッカーはどんなサッカーなのか。やっぱり、ゴールを奪う姿勢を見せる、常にゴールに向かう姿勢があるのが、見ていて楽しいと思う。後ろ向きや横向きでパスをしていたらつまらない。プレーしている選手もつまらないと思うもの。チームによってコンセプトがあると思うが、常にゴールに向かう。守備では、まずは目の前の選手のボールを奪いに行く。失ったら奪い返す。単純なことだが、そこに楽しさがある」
シーズン立ち上げから、目指すべきサッカーの浸透につとめてきたなか、「選手たちは表現してくれると思う。昨年よりも、もっとわかりやすいサッカー、おもしろいサッカーが繰り広げられる」と自信を示していた。
さらに佐野監督は「ホームゲームではいろいろなイベントもあり、サッカー以外でも楽しめる。来場されたファン、サポーターとより近い関係になりたいというのもある。見て楽しい、来て楽しい、触れて楽しい……そんなイメージで、エンターテインメント性を含めて楽しんでもらえたら」と、チェント・クオーリ・ハリマのPRにもつとめていた。
「楽しさ全開」で、リーグに旋風を巻き起こす。そんな兵庫・播磨のチームに、今シーズンは注目だ。
チェント・クオーリ・ハリマの初戦の相手は、AS.Laranja Kyoto(ラランジャ京都)。加古川市・日岡山公園グラウンドで行われるホームゲームは、4月12日午後2時半キックオフ予定。
(取材・文=北川信行)





