斎藤元彦・兵庫県知事の疑惑を文書で告発した元県民局長の男性(2024年7月死亡)のプライベート情報が漏えい男性を県の元総務部長が県議に漏らし、さらに斎藤知事と元副知事も関与したとして地方公務員法違反容疑で告発された問題で、神戸地検は3月27日、3人を不起訴処分とした。

この件をめぐっては、神戸学院大学法学部・上脇博之(ひろし)教授が昨年(2025年)6月、「斎藤知事と片山元副知事、前総務部長の3人が職務上知り得た情報を漏えい、また漏えいを促した」などとして、地方公務員法(守秘義務)違反容疑で刑事告発していた。

告発状では、元総務部長は2024年4月、県議会の会派控室などで県議3人に対し、「これ、見てくださいよ。こんな人間が作った文書、信用できるわけない」などと話しながら、男性の公用パソコンに保存していたプライベート情報を印刷した文書の一部を閲覧させ、またその内容の一部を口頭で述べるなどして、職務上知り得た秘密を漏らしたとされた。
また、その前提事実として、▼斎藤知事が告発文書の存在を把握した同年3月、元副知事らを集め、「(告発文書は)だれがつくったのか、なぜつくったのかを把握する事が大事」と伝え、徹底的な調査を指示して公用パソコンを押収した。▼同年4月には、斎藤知事が元総務部長に対し、「(告発者である男性の)プライベート情報を、県議会の執行部に知らせたらいいんじゃないか」と指示。職務上知り得た秘密を漏らすことを命じたか、そそのかしたと指摘していた。
この問題をめぐって県が設置した第三者調査委員会は、「元県民局長のプライベート情報は地方公務員法上保護されるべき『秘密』に該当するが、知事や元副知事の指示で、県議らへの根回しで行った可能性が高い」と結論付けた。

神戸地検は不起訴とした理由について、
▼元総務部長については起訴猶予。「高度にプライバシー性の高い情報が問題となっているところ、これを公判廷で明らかにした場合の影響を慎重に判断し、本人が社会的制裁を受けている事なども考慮した結果」とした。
▼斎藤知事、元副知事については嫌疑不十分。元総務部長に対して、地方公務員法に反して「職務上知り得た秘密を漏らすことを命じたか、またはそそのかした」と認定するに足りる証拠が得られなかったとしている。

3人を告発した上脇教授は、ラジオ関西の取材に対し「元総務部長についてプライバシーを理由とする日起訴処分ならば、略式起訴(罰金刑)とするのが相当だろう。斎藤知事と元副知事については、捜査と異なり、強制力のない第三者委員会の報告でも、情報漏えいに至るさまざまな事実や経緯が明らかになっているにも関わらず、不起訴とした検察のあり方には疑問が残る。いずれにしても単独犯としては考えられず、納得いかない。今後弁護士と相談のうえ、検察審査会に申し立てるか検討したい」と話した。





