足袋は「健康に効く」? 伝統金具“こはぜ”製造を手がける元アナウンサー ものづくりへの思いを語る

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「こはぜ」とは足袋の足首部分に付けられた“伝統留め具”のことを指す。この製造を手がけるのが、兵庫県丹波篠山市にある株式会社青山産業研究所だ。代表取締役・久保佳代さんは元アナウンサーという異色の経歴の持ち主。伝統産業とも言える「こはぜ作り」について話を聞いた。

足首部分に並ぶ「こはぜ」(イメージ)

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 こはぜは爪のような形状が特徴。漢字では一般的に「鞐」または「小鉤」と書くが、同社では独自に「甲馳」としている。その理由について久保さんは「武将が足を守るために『馳せる(はせる)』という字が使われたのかもしれない」と推測。こはぜ製造には90年以上前に職人によって手作りされた専用機械を用いており、自動化が難しい高度な技術が必要とされることについても触れた。

 着物や伝統行事の衣装の一部として使われる足袋だが、じつは健康面での利点も。久保さんによると、体重が「親指に7・残りの指に3」の割合でかかるため立った時の体軸がスッと通るという。冷え対策や外反母趾の予防にもつながるとされ、和装だけでなく洋服にも合わせられるという汎用性の高さを持つ。同社は「一人ひとりの足に合わせたものづくり」を目指しており、デニムや革・ウェットスーツ素材など、希望の生地での“オーダーメイド足袋”にも対応しているのだとか。

 さて冒頭でも述べたように、久保さんは元アナウンサーである。かつてラジオ関西や山陽放送(RSK)で約10年にわたりアナウンサーとして活躍していた。そんな彼女がなぜ伝統産業に関わるようになったのだろうか。

「アナウンサー引退後、ギリシャ産のオリーブオイルの輸入事業を開始しました。その際に参加した異業種交流会で当時「こはぜ」を製造していた先代の青山氏と出会ったことが転機となりました。商売の先輩としてお話を聞きたいなと思い、後日電話をしたのがきっかけとなりました」と久保さん。

 伝統の継承にとどまらず「新たな価値の創出」にも取り組んでおり、室内外両用可能なスニーカーなど、現代の生活様式に合わせたアイテム開発を進めているという。

(左から)パーソナリティーの安本卓史、青山産業研究所 代表取締役・久保佳代さん、パーソナリティーのTOMMY、パーソナリティーのKanon

※ラジオ関西『ハートフルサポーター』2026年4月19日放送回より

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