司馬遼太郎記念館(大阪府東大阪市)で企画展「司馬遼太郎が描く『豊臣家の人々』と関連作品」が開かれている。歴史小説家・司馬遼太郎さん(1923~1996年)の没後30年を機に開催されるもので、戦国の覇者・豊臣秀吉と、運命に翻弄された一族の姿を司馬作品を通して浮かび上がらせる内容だ。会期は10月25日(日)まで。
展覧会は、秀吉その人ばかりでなく、「秀吉という存在が周囲の人間の運命をどう変えたのか」という視点で構成。華やかな天下統一の裏側にあった悲劇、権力の重圧など、豊臣家の人間ドラマにフォーカスする。
中心となるのは、1966年から67年にかけて雑誌「中央公論」に連載された連作短編集「豊臣家の人々」。天下人となった秀吉の周囲で生きた人々に光を当てた作品で、弟の豊臣秀長、正室の北ノ政所、甥の豊臣秀次、小早川秀秋ら、それぞれの人生や葛藤を一話完結形式で描いている。
見どころの1つは、「豊臣家の人々」第5話「大和大納言」の自筆原稿。秀吉を支え続けた弟・豊臣秀長を描いた作品で、今回が初公開となる。原稿からは、司馬遼太郎が人物の心理や歴史の流れを緻密に組み立てていった創作の息づかいを感じ取ることができる。また、同作が掲載された1967年1月号の「中央公論」も展示。
豊臣政権の終焉を描いた長編「城塞」に関連する資料も並ぶ。大坂城にこもる淀殿と豊臣秀頼、そして大坂ノ陣を背景にした緊迫感漂う様子を伝える挿絵「秀頼」「蔵の中」(画・三井永一)も今回初公開。滅びへ向かう豊臣家の悲劇性を印象深く伝える。また、秀吉がいかにして天下人へ駆け上がったかを描いた「新史 太閤記」「国盗り物語」関連資料も。「国盗り物語」の挿絵「藤吉郎」(画・風間完)は、若き日の秀吉のエネルギーや野心を生き生きと表現している。
同館の広報担当者は「『豊臣家の人々』のほか、戦国を舞台としたさまざまな作品から、司馬遼太郎が秀吉やその時代をどう捉え、描いたのかを感じてほしい」と話した。
◆企画展「司馬遼太郎が描く『豊臣家の人々』と関連作品」
会場 司馬遼太郎記念館(〒577-0803大阪府東大阪市下小阪3丁目11-18)
会期 2026年5月12日(火)~2026年10月25日(日)
開館時間 10:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日 月曜(祝日などの場合は翌日休館)。8月31日(月)から9月10日(木)までは特別資料整理期間のため休館。9月15日(火)から9月27日(日)までは休まず開館
入館料 大人800円、中高生400円、小学生300円
問い合わせ 電話06-6726-3860





