
同館に入ってまず目に入るのは、近年収集された植松奎二の作品『Triangle-Stone/Cloth』(2021年)。高さ14メートルの吹き抜けにある幅10メートルの湾曲した壁面を活用した、「同館ならでは」の作品。そして三島喜美代の『Work88M』(1988年)は、1988年に制作されたものだが、作品として展示されたのは2020年のこと。大槻学芸員は「岐阜にあるアトリエの庭に『置いていた』そうです。その約30年もの間、雨や風にさらされ、(三島さんは)その時間も含め作品だと提示している」と分析する。いずれも、同館の空間を生かした展示で「下から見てもいいですが、上から見ると、また違った見え方ですよ」。

このほか、小出楢重が学生時代に描いた作品や高浜虚子と共演した大正時代の作品、具体美術協会会員の田中敦子や田井智らの新たに発見された作品も初公開する。大槻学芸員は「ここ(芦屋市立美術博物館)に集まった作品は、それぞれに物語をもってここに来てくれました。その経緯を含めて感じてほしい。美術館はそれを見ることができる大切な場所。一人でも多くの方に足を運んでいただき、未来へつなぐ機会にしたいです」と話す。







