若い世代を中心に、スポーツの現場でも「失敗を恐れる傾向」が指摘されています。SNSなどを通じて他人と比較されやすい時代の中で、いまの子どもたちはどのようにして経験を積んでいくのでしょうか?
元バレーボール女子日本代表で、現在はヴィクトリーナ姫路U15監督を務める井上愛里沙さんに話を聞きました。

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井上さんは小学2年生の時、運動会で当時のクラブチーム監督に見出されたことをきっかけにバレーボールを始めました。小学生の頃から活躍し、中学時代には「日本一になりたい」という思いで岡山県の強豪校へ進学。しかし、勝利を求め続ける中で次第に競技への楽しさを見失っていったといいます。「こんなに練習しても日本一になれなかった。そこで、バレーボールが好きじゃなくなってしまった時期がありました」と振り返ります。
転機となったのは高校時代でした。指導者から「自分たちで考える」ことを求められ、練習方法や目標設定も自分たちで話し合うようになったことで、再び競技の面白さを感じるようになったそう。その後、日本代表として世界を経験し、フランスリーグでもプレー。2024年にはパリオリンピックに出場しました。海外では、高身長でパワーのある選手との対戦だけでなく、「何が起きてもなんとかなる」という海外選手の考え方にも刺激を受けたといいます。
現在はヴィクトリーナ姫路U15監督として、中学生世代の指導にあたっています。「自分で考える力」を大切にしており、選手時代はボール中心に見ていた視点も、今では「選手の体の使い方」や「表情」に目が向くようになったと話します。実践以外にも「練習ノート」を取り入れるなどして一人ひとりにコメントを返すなど、日々のコミュニケーションも重視しているとか。
井上さんは「SNSの影響もあってか、今の子たちは『失敗したらどうしよう』と考えてしまう子が多いように感じます。でも、今の年代だからこそ新しいことにどんどん挑戦してほしい」と次世代に向けてのエールを発し、インタビューを締めくくりました。

(取材・文=洲崎春花)
※ラジオ関西「ヒメトピ558」2026年5月1日、8日放送分より



