WEリーグ王者のINAC神戸 4冠達成へ体づくりに着手 宮本監督「やったことのないことに挑戦」

LINEで送る

この記事の写真を見る(2枚)

 サッカー・女子のWEリーグで連覇を目指すINAC神戸レオネッサは8日、練習拠点の神戸レディースフットボールセンター(神戸市東灘区)での練習を報道陣に公開した。8月の新シーズン開幕に向け、チームは6日に始動しており、この日は約2時間、ミニゴールを多数用いたゲーム形式の練習などで汗を流した。

 始動日のミーティングでは、宮本ともみ監督以下、スタッフや全選手が、連覇を狙うリーグ戦、昨シーズンはグループステージ敗退に終わったリーグカップ戦(WEリーグクラシエカップ)、決勝で涙をのんだ皇后杯の国内3タイトルに、初挑戦のアジアの戦い(AFC女子チャンピオンズリーグ=AWCL)を加えた「4冠」達成を目標に掲げることを確認したという。

 目標にたどりつくため、昨シーズンのWEリーグ最優秀監督賞を受賞した宮本監督や最優秀選手賞(MVP)に初選出されたMF成宮唯選手、得点王のFW吉田莉胡選手らが、チームに必要な上積みとして口をそろえるのが「フィジカル強化」だ。

 チームはオフに日本女子代表(なでしこジャパン)GK大熊茜選手(移籍先未発表)やDF井手ひなた選手(→日テレ・東京ヴェルディベレーザ=東京NB)、MF松原優菜選手(→ドイツ2部・ポツダム)、FW三谷和華奈選手(→ラトビア・リガ)らが退団したものの、成宮選手や吉田選手ら中軸メンバーは残留。先発メンバーの戦力維持には成功した。しかし、増加する試合数やアジアでの戦いを見据えると、戦える選手の層を厚くする必要がある。

 そうした目的もあって、東京NBなどでの指導経験がある今関耕平フィジカルコーチを招聘。早速、ウオーミングアップなどにも今関コーチのメニューが取り入れられている。

「あまり意識していなかった(筋肉を使う)ところが入ったりするので、体はきていますが、昨シーズンと同じことをしていても、今シーズンは同じようにはいかないと思うので、自分もしっかりと向き合っていけたらいいなと思います」と述べたのは、成宮選手。

 吉田選手は「フィジカルコーチの耕平さんが来てから、より体づくりのところにウオーミングアップから時間をかけるようになったというか、ただのアップじゃなくなっているところがすごい変化だと思います。結構、筋肉にきています。みんなバキバキだと思います」と打ち明ける。「自分はパワー系の選手ではないのですが、よりそこにパワーをかけられるようなトレーニングをしていきたい」という吉田選手は、筋力トレーニングを増やしたいと相談したという。

 また、今シーズンも主将を務めるDF三宅史織選手も「フィジカルコーチが来て、体の使い方だったり走り方だったりに主に取り組んでいます。新しい刺激があり、今までのINAC神戸にはあまりなかったこと。昨シーズンのままでは連覇は難しいと思いますし、みんなそれを踏まえた上でプラスアルファ、パワーアップするために必死に取り組んでいます」と選手の思いを代弁した。

フィジカルコーチを招聘し、体づくりに取り組んでいるINAC神戸(写真:北川信行)

「昨シーズンもフィジカルのところをもう少しきっちりとやりたい、フィジカルコーチを入れたいという要望はあったのですが、常駐というか、ずっといる人がなかなかいなかったんです」と述べたのは、宮本監督。

「今シーズンはタイミングというか、縁をいただいて、来てもらうことになりました。みんなが求めていたものでもあるし、説得力もあります。みんなも必要だと思っていたので、モチベーションがものすごくあります」と、待望の人材獲得をチームは歓迎している。

 オフに韓国でAWCLの試合を観戦したという指揮官は、「やっぱり(INAC神戸には)フィジカルのところが足りない部分だと思いました。球際のところだったり、一発のスピードだったり、国内とは種類が違うので、そこを今の段階から意識づけるというか、やっていかないとAWCLのタイトルを取るのは難しいと肌で感じました」とフィジカル強化の重要性を力説。「今関コーチはベレーザでAWCLも見ているので、いい人に入ってもらえたと思います」と語った。

 国内タイトルだけでなく、アジアの頂点も見据えた体づくり。宮本監督は「昨シーズンも頑張ったけど、3冠は取れませんでした。今季はさらにもう一つ、やったことのないことに挑戦する。並大抵のことではありません。相当な覚悟を持たなきゃいけない」と4冠を目指す意義を熱弁する。

「ただ、そこにチャレンジできるのは、すごく幸せなことだから、『喜びに変えてやりたいよね』というところと、目標としては4冠ですが、今、何をやらなければいけないかが大切なので、『最高の今を積み上げよう』という話をしました」と、選手たちを鼓舞したことも明かした。

 高い目標を掲げつつ、地道に目の前のことに取り組む。INAC神戸の2026/27は「千里の道も一歩から」を実践するシーズンとなる。

取材・文=北川信行

INAC神戸の宮本ともみ監督(写真:北川信行)
LINEで送る

関連記事