東西交流のロマン伝える水差し、異色の宝物「龍」も 第78回正倉院展 10月24日~11月9日開催

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 さらに、正倉院の神秘を伝える異色の宝物として知られる「虹龍(こうりゅう)」も出品される。長年「龍」と伝えられてきた動物のミイラだが、近年の研究で体の特徴などからニホンテンと判明。1429年、将軍・足利義教が正倉院宝物の香木「蘭奢待(らんじゃたい)」を切り取った際、「竜日干(りゅうのひぼし)を見た」との記録が残っており、龍がいるために、正倉院の扉を開く際には雨が降るとの言い伝えも。宝庫に入った経緯としては、ニホンテンが侵入してそのまま自然乾燥したのか、人為的に持ち込まれたかは不明という。

南倉 虹龍

 正倉院は東大寺大仏殿の北西に建つ奈良時代の校倉造の宝庫で、756年、光明皇后が亡き聖武天皇をしのび、その愛用品を東大寺大仏に納めたことに始まる。宝物は約9000件に及び、内容は工芸品や楽器、武具、染織品、文書など多岐にわたる。現在は宮内庁正倉院事務所が開扉に天皇の許可を要する「勅封(ちょくふう)」制度のもと、厳重に管理。毎年秋に開催される「正倉院展」でその一部が公開されている。

 奈良国立博物館の井上洋一館長は「先行きの見通しが立ちにくい世界情勢の今だからこそ、人類が長い歴史の中で育み、大切に伝えてきた文化の価値を見直すことに大きな意義がある。正倉院宝物は多様な文化交流の証でもあり、異なる文化が出合い、新たな価値を生み出してきた人類の歩みを静かに物語っている。宝物の素晴らしさと美しさだけでなく、背後にある歴史や文化、文化財を未来へ継承することの大切さも感じてもらえたら」と話した。

井上洋一館長(2026年7月14日午後、奈良国立博物館)

◆「第78回 正倉院展」
会場 奈良国立博物館(〒630-8213 奈良市登大路町50)東新館・西新館
会期 2026年10月24日(土)~11月9日(月) ※会期中無休
開館時間 8:00~18:00 金土日曜と祝日は20:00まで。いずれの日も入館は閉館の60分前まで。
観覧券 日時指定券を販売予定。詳細は8月下旬に発表
問い合わせ ハローダイヤル050-5542-8600
奈良国立博物館ウェブサイト

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