第108回全国高校野球選手権兵庫大会は20日、5回戦が行われ、高砂市野球場の第2試合では、県立神戸商が登場。三田松聖との一戦に臨んだが、1-2で9回サヨナラ負けを喫し、目前で8強入りを逃した。

この試合、4回表に2本のツーベースヒットで先手を取れば、投げてはエース左腕・滝川咲斗投手(3年)が力投。ヒットを打たれながらも要所を抑えるピッチングで7回まで相手のスコアボードにゼロを重ねた。
ただし、滝川投手は、「序盤はテンポよく投げれたが、後半タイミングもあってきて、ちょっと怖いなと思いながら投げていた」と明かす。相手の圧力を受け、終盤に2失点。最後、悔いのない一球を投げ込んだが、チームの執念の守備もおよばず、涙をのんだ。
目標としていたベスト16に届いたことは「うれしかった」と述べつつ、「あと1個が遠いんだなと思った」と、この試合を通じて8強の壁も感じたという。

神戸商の上村昌大監督は、「もうこれ以上ないパフォーマンスをしてくれた」と選手を称えた。そのうえで、「全てはあのスクイズ(失敗)で流れがいってしまった。この子らに何の責任もない。自分の未熟さが一番際立った」と、4回表、追加点を狙ったなかでの采配について、自らを涙ながらに責めた。
それでも、1878年開校の神戸商業講習所が源流となり、「県商」の名で親しまれる神戸商は、この夏、3勝を記録。「この子らは乗せれば、どこまででもいってまう。とにかく、この子らを乗せることだけを考えて自分はやっていた」という指揮官は、春から夏にかけてのチームの成長を実感。「いろんなところと試合をさせていただき、いろんなことを吸収していった。春に初戦で負けて、悔しい思いをして、主将の中西悠人を筆頭に『何か変えな、何か変えな』と言ってきたなか、それが一気に花を開いた」。勝つごとに自信と勢いをつけた選手たちを「めっちゃかっこよかった」と絶賛した。
「自分たちの学校の歴史と、あとは高校野球のすごさ、本当にすばらしさを感じさせていただいた」という、神戸商の今大会。ベスト16の景色について、「本当にすごかった」という上村監督は、「もともとこの子らは学校でもいろいろなことをがんばっていて、応援される子たちでしたが、地域の人も含めて、1つ勝つごとに、どんどんみんなが『頑張れ!』と声をかけてくださった。本当にすごいなと、その一言に尽きる」と、飛躍を遂げた約3週間の戦いを振り返った。

「守備や攻撃も、自分らがやってきたことを、この大会で発揮できた」と胸を張った、滝川投手。「後輩たちに勝ち方とか、そういうのを教えることができたと思うので、後輩たちにも頑張ってほしい」とエールを送ったうえで、「僕も野球を続けようと思っているので、この悔しさをバネに次もやっていきたい」と新たなステージでの飛躍を誓っていた。





