第108回全国高校野球選手権兵庫大会は26日、ほっともっとフィールド神戸で決勝戦が行われ、2年ぶりに決勝に進んだ明石商は、社に2-3と逆転負けし、7年ぶりの甲子園出場はならなかった。

あと一歩だった。試合の主導権は握っていた。
序盤の3回までは社に3塁へランナーを進められる展開が続いたとはいえ、2年生エース・仲吉泰清投手が要所を抑えるなど踏ん張った。バックも2回裏のピンチで、相手のスクイズを阻止すれば、続くバッターの時にはヒットを浴びても、センター・貝口慈音選手(3年)の好返球で本塁侵入を防いだ。

これで流れを得た明石商は、5回表、デッドボールと送りバントでチャンスを切り開くと、米田大希選手(2年)のタイムリーヒットで先制。1-1とされた直後の7回表には、4番打者・大塚弥選手(2年)のタイムリーヒットで相手を突き放し、3塁側の熱狂的な応援と合わせて、スタジアムの雰囲気は明石商にあった。主将の市村徹平選手(3年)も言うように、「8回(表)まで、めちゃめちゃいいペースで、僕たちの流れで試合を運べた」。

しかし、8回裏、悪夢が待っていた。1アウトをとったあと、ヒットで出塁を許すと、社の4番打者・小倉臣斗選手(3年)にレフトスタンドへ2ランホームランを浴び、形成逆転。9回表、代打攻勢での反撃も実らず、手に届きかけた甲子園出場は、目前で潰えた。
試合後、狭間善徳監督は、「選手らはようやったと思う。少ないチャンスだったが、それをものにできたのは大きかった。うちの野球はできていたと思う」とコメント。2年生バッテリーの活躍など、今後に期待を抱かせる大会にもなったが、「いい経験にはなったと思うが、これをいかせるかどうかは、これからなので」と、新たなチーム作りに向けて気を引き締めていた。

「夏は何があるかわからないもの。その一発で負けてしまうというのを感じさせられた」と市村主将。それでも、大所帯をけん引してきたチームリーダーは、悔しい敗戦にも前を向いた。
「夏大(夏の大会)に入るまで、チームはほんまにバラバラで、『このままじゃ絶対勝てない』と、みんなに言い続けてきた。試合が重なっていくごとに、一人ひとりの気持ちも一緒の方向に向いて、ここまで来られた。バントを一発で決めるとか、スクイズは絶対決めるとか、一人ひとりができることを普段の練習で強く言い続けて練習してきたので、その成果は出た」と、今大会を総括。
「一番お世話になった監督さんから、『毎日正しくコツコツ積み重ねる』というのを、毎回言われ続けていた。やっぱりそれをしていたら、この試合も勝っていたのかなと思う」と述べつつ、「ここまで来られたのは、監督さんの熱いご指導があったから。最後まで見捨てず、僕たちを鼓舞してくれた監督さんのおかげ」と、狭間監督に感謝を述べていた。
「僕はこのあと、大学で野球をするので、そこでしっかり(高校野球の経験を)活かしたい。また、今日感じたことを1、2年生に伝えて、『来年は頼むぞ』と伝えていきたい」と気丈に語った市村主将。この夏の経験を糧に、3年生は次のステージで、1・2年生は新チームでの甲子園出場を目標に、「明商野球」を続けていく。







