

2020年制作の『アルバイシン part2』。星野はスペイン滞在中、この近くに住んでいたという。完成までには3年ほどかかった。「どのくらいのパーツがあるか聞かれることもあるが、考えたくもない。この作品だけに集中するとしっかりしたものを完成させる自信がなかったので、他の作品と並行しながら作り上げた」という。


最も小さなパーツは2ミリくらい。「でも2ミリはそんなに難しくない」と星野は話す。難しいのは背景との組み合わせだという。
例えば、『ローデンブルグ(ドイツ)』にはランプが2つ描かれている。ひとつは周りに細かいパーツが配置されているが、もう一つは空となる比較的大きなパーツ。「テクニックは同じだが、大きいと失敗できないので緊張します。じゃ、ゆっくり切っていけばいいのではと言われるが、ゆっくりだと手振れするんです」。



パーツはイトノコで切り出す。使う刃は木工用ではなく、プラスチック用の極細刃。「小さいものだと手元で見ながら作業できるが、大きいものは刃の部分が見えない場合もある。手で押さえないと跳ねるので体力も必要です。若い時はできたけど、(71歳となった)今はキツイです・・・」と本音も。とはいえ制作意欲は衰えていない。なぜ、そこまでできるのか。「好きなんでしょうね、作るのが。死ぬまで作品は作り続けると思います。ただ人に見せられるものをいつまで作れるかはわからない。今回は45周年展ですが、頭の中では50周年のことしか考えてないです」と笑う。

日本で唯一のタラセア作家。同館の担当学芸員も、「まずは足を運んでみてほしい。宝塚にこんな作家がいるんだと思ってもらえたら」と話す。





