8月24日付で兵庫県警本部長に就任した宇田川佳宏氏(56)が会見で、昨年(2025年)、全国の都道府県警察で最多の50人が懲戒処分を受けたことに触れ、職員の意識改革に取り組む決意を表明した。
宇田川本部長は東京都出身。東京大学法学部を卒業後、1994(平成6)年に警察庁に入庁し、高知県警本部長や警察庁組織犯罪対策第一課長、警視庁生活安全部長などを歴任した。関西圏での勤務は初めて。
冒頭で「経験を生かし、兵庫県民530万人の安全・安心を守るという職責を果たす」と述べた宇田川本部長は、兵庫県の犯罪情勢と治安状況について、「社会的耳目を引く事案が多いが、(捜査機関として)良く対処している」と一定の評価を述べた。

そのうえで、「兵庫県内の特殊詐欺被害額は、過去最高ペースを超え、危機的状態(※)」と指摘。最近の手口として国際電話を使用し、インターネットバンキングで現金をだまし取る傾向にあり、犯行グループの存在が見えにくい状況での実態解明を課題に挙げた。
また、匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ)への対策について、少年が犯行に関わるケースが増えていることから「若年層に対して規範意識を醸成し、犯行グループの元を断ちたい」とした。
宇田川本部長は、これまで国際犯罪捜査に尽力、各国のカウンターパート(担当者)とともに協力体制を築いてきた。(2022~23年に発生した)『ルフィ』などと名乗る指示役らが フィリピンを拠点に日本国内での連続強盗・特殊詐欺を指令した広域強盗事件では、被疑者を海外から移送するオペレーションなども経験している。
そして、神戸を拠点とする国内最大の指定暴力団・山口組の分裂から11年。まだまだ予断を許さない状態が続いている。「民事介入暴力に対応する弁護士や関係団体との連携を強め、暴力団弱体化、壊滅に向けて取り組む」と述べた。

兵庫県警では昨年(2025年)、全国の都道府県警察で最多の50人が懲戒処分を受けている。その内容は勤務懈怠など、警察官としての倫理観の欠如が主な要因とされる。この点について宇田川本部長は、「県民からどう見られているか、“ 県民からの目線 ”を常に感じることを組織全体に伝えたい。また、必要以上に上下関係を意識させることのないよう、言いたいことを言い合える風通しの良い組織運営を心掛けたい」とした。
趣味は街歩き。「兵庫県は“日本の縮図”といわれる。 神戸市や阪神間の都市部や山間部など、さまざまな特色がある。まずは神戸を手始めに、いろいろな場所に行ってみたい」と話した。
※兵庫県内の特殊詐欺の被害総額は2026年6月末時点で約115億6000万円(前年度比42%増)



