家族のもの忘れが増えたと感じたとき、どう向き合えばいいのか。9月の「認知症月間」に合わせ、神戸市の認知症への取り組みをめぐり、ほかの自治体や海外からも関心が寄せられている。
神戸市が進めているのが「認知症神戸モデル」。認知症の早期発見を支える「診断助成制度」と、事故などに備える「事故救済制度」を柱に、診断前から診断後までの支援を行っている。

2026年度は、65歳から75歳になる市民に無料の認知機能検診の受診券を送付している。検診で認知症の疑いがある場合は、専門の医療機関で精密検査を受けることができ、自己負担分には市の助成がある。
早く状態を知ることは、単に診断を受けるためだけではない。症状が軽いうちから介護サービスなどを利用したり、家族で今後の生活について話し合ったりするきっかけになる。症状の進行を遅らせる薬を使えるかどうかを調べることにもつながるという。
認知症と診断された後の生活にも備える。市は事故による賠償責任に備えた保険や見舞金の制度を設けているほか、行方不明になった場合に備えたGPS端末の貸し出しや、「みまもりシール」の配布なども行っている。
こうした取り組みについて、神戸市にはほかの自治体から「認知症神戸モデルについて聞きたい」といった問い合わせがあり、最近ではシンガポールのメディアからも取材を受けるなど、国内外から関心が寄せられているという。
神戸市福祉局高齢福祉課の担当者は、認知症になっても介護サービスなどを利用しながら、住み慣れた地域で自分らしく暮らし続けることはできると話す。
認知症を「何もできなくなる病気」と捉えるのではなく、一人ひとりができることや、やりたいことを続けられるようにする。そのためには本人だけでなく、家族や地域社会の認識を変えていくことも重要だとしている。






