【巡回最終】姫路文学館で「やなせたかし展」 アンパンマンの原点と「よろこばせごっこ」の人生たどる

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「絶望のとなりに」制作年不明 (c)やなせたかし(公財)やなせたかし記念アンパンマンミュージアム振興財団蔵

 第4章「絵本とやなせメルヘン」では、子ども向けという枠に収まらない絵本作品を取り上げる。代表作の1つ「やさしいライオン」をはじめ、「チリンのすず」「しろいうま」など傑作絵本の原画が並ぶ。作品には血のつながりを超えた家族の絆や、異なるもの同士が思いやる心、外見ではなく本質を見ることの大切さなど、普遍的なテーマが描かれ、物語作家としての深いまなざしが伝わってくる。

代表作の1つ「やさしいライオン」の原画 (c)やなせたかし(公財)やなせたかし記念アンパンマンミュージアム振興財団蔵

 そして第5章で、アンパンマンの歴史をひもとく。1973年、絵本「あんぱんまん」に登場したのは、ボロボロのマントをまとい、自らの顔を食べさせて困っている人を救うヒーローだった。華やかで強いヒーロー像とは異なる自己犠牲の姿に、やなせさんが考え続けた「本当に困っている人を助けるとは何か」という問いが込められている。1988年のテレビアニメ化を経てアンパンマンは国民的キャラクターへとなり、現在も日本中の子どもたちから人気を集めている。会場ではやなせさん自身がアンパンマンを解説した作品や、キャラクターの象徴的なシーンを描いたキャンバス画などを通して、その誕生から広がりまでを振り返る。

『アンパンマン伝説』「ばいきんまん登場」1997年 (c)やなせたかし(公財)やなせたかし記念アンパンマンミュージアム振興財団蔵

 展覧会の根底にあるのは、やなせさんが大切にした「人を喜ばせる」という考え方だ。戦争体験や家族との別れなど、さまざまな経験を重ねながら「なんのために生まれて、なにをして生きるのか」と問い続けたやなせさんがたどり着いたのが、困っている人にパンを与えるアンパンマンだった。やなせたかし記念館アンパンマンミュージアムの仙波美由記学芸員は「絵だけでなく言葉、人としての生き方など、さまざまな視点で見てもらえる展覧会。どの作品が好きかな、どの色がきれいかなと、家族で会話をしながらいう楽しんでほしい」と話した。会期は11月23日(月・祝)まで。

「てのひらを太陽に」制作年不明 (c)やなせたかし(公財)やなせたかし記念アンパンマンミュージアム振興財団蔵

◆「やなせたかし展 人生はよろこばせごっこ」
会場 姫路文学館(〒670-0021 姫路市山野井町84番地)
会期 2026年9月19日(土)~11月23日(月・祝)
休館日 月曜日と9月24日(木)、10月13日(火)、11月4日(水) ※10月12日(月・祝)と11月23日(月・祝)は開館)
開館時間 10:00~17:00(入場は16:30まで)
観覧料 一般1400円 18歳未満(18歳の誕生日から最初の3月31日までの人も含む)は無料
問い合わせ 姫路文学館079-293-8228

展覧会公式サイト https://www.nhk-fdn.or.jp/yanasetakashi-ten/

姫路文学館HP http://www.himejibungakukan.jp/

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