兵庫県の井戸敏三知事(74)が1日、就任から丸19年を迎えた。5期目の任期が残り1年となり、歴代知事で最長の20年目に入る。井戸知事は7月27日の定例会見で「新型コロナウイルスの次なる波にしっかりと備えた上で、兵庫らしい新しい社会の実現に道筋をつけたい」と抱負を語る一方、来年(2021年)夏に予定されている知事選については「自分の任期を全うする」とだけ述べ、明言を避けた。
自身の5期目の任期については「県政150周年の節目を越え、今後の方向付けを『2030年の展望』という形で示せたことが大きい」などと評価。今後は、新型コロナウイルスへの県の対応を評価・検証を行い、医療・検査体制を強化すると改めて強調。打撃を受けた地域経済の回復のため、社会活動の活性化を目指すとも述べた。
■コロナ対応「デジタル化への遅れ」痛感
新型コロナウイルス感染拡大防止に向けた対応で「日本社会のデジタル化がいかに遅れていたか、痛感させられた」と話し、5Gをはじめとした高速・大容量通信に対応する「ひょうご情報ハイウェイ」の増強など、情報化とグローバル化への対応に意欲を示した。一方で海外に依存しない生産拠点の県内回帰や、サプライチェーン(部品の調達から消費までの一連の流れ)の強化の必要性に言及した。
かねてから訴えてきた東京一極集中の問題については、「兵庫でも地域偏在が拡大し、人口流入により持続可能な地域と、地域社会の存続が危ぶまれる地域に二極化している」と改めて指摘。テレワークやUIJターン、二地域居住などを推進し、それぞれの地域の強みを生かした取り組みを加速させるとした。
■次期知事選「出る、出ないは別の話」去就明かさず
そして来年夏に予定される知事選挙に、自身が6回目の立候補をするかどうかを問われると「一生懸命、自分の任期を全うする。次に出る、出ないは別の話だ」と述べるにとどまり、去就を明らかにしなかった。