楽しみながら社会のしくみを学べるキッザニア甲子園(西宮市)は、「こどもが主役の街」。プロ顔負けの設備や道具を使い、約100種類の仕事やサービスを体験できる。そのキッザニア甲子園に、介護について学べる新しいパビリオン「ケアサポートセンター」が誕生した。
兵庫県を中心に介護施設などを運営する「日の出医療福祉グループ」(加古川市)の監修によるもので、子どもたちはペアで体験をする。スタッフの指示に従い、▼高齢者の姿勢や歩きづらさを体感する▼介助リフトを使ってベッドから車いすに人形を移動させる▼スロープなどの障害がある中で互いに車いすを押しあう、などの体験ができる。本来は4人ずつが参加、1回の体験時間は35分程度だが、新型コロナウイルスの影響で2人ずつに制限、体験時間は30分弱程度となっている。
体験を終えた原杏奈さん(10)は、「(車いすを)押す力が必要なので難しかった。高齢者にとっての歩くことの難しさなど、大変さが分かった。困っている人がいたら助けてあげたいと思う」と振り返った。
パビリオンのシナリオ作成などを担当した、キッザニア甲子園事業部の中山雄介さん(34)は、「パビリオンのデザインにカラフルな色を使うなど、明るい・楽しい印象となるよう工夫し、子どもたちに介護をより身近に感じてもらい、ネガティブなイメージを変えたいと思った。精神面からサポートするのが介護。ただの作業だけにとどまらず、声かけなどであいての気持ちを思いやることを意識した」と説明する。