関西から空路で1時間半~2時間。本州の最北にある青森県には、りんごジュースだけの自販機があり、品種ごとに売られているという。9月から11月にかけて、青森ではりんごの収穫シーズンに入る。りんごの生産量が日本一の弘前市ではアップルパイの名店もたくさんあり、アップルパイのガイドブックも作られている。青森では関西よりひと足早く秋が訪れるが、そうして秋になっていくと、昼夜の気温の寒暖差があるために色鮮やかな紅葉が各地で見られるそうだ。
![弘前市・岩木山とりんご](https://jocr.jp/raditopi/wp-content/uploads/2020/08/016_%E5%BC%98%E5%89%8D%E5%B8%82%E3%83%BB%E5%B2%A9%E6%9C%A8%E5%B1%B1%E3%81%A8%E3%82%8A%E3%82%93%E3%81%94-1024x681.jpg)
青森駅からバスで1時間、八甲田山のロープウェーからは、ブナ、ナラ、カエデ、ダケカンバの紅葉が見られる。10月上旬から山頂が色づき始め、紅葉が麓まで広がるのは10月末ごろだ。ロープウェーに乗ると、ゴンドラから360度のパノラマで津軽平野、陸奥湾、天気の良い日には北海道まで見渡せる。足下一面にじゅうたんのように雄大な紅葉が織りなされる。山頂公園駅には、30分から60分くらいの自然遊歩道のコースもある。
八甲田山の麓にある蔦沼は、ブナの原生林に囲まれていて水面に赤くなった木々が鏡のように映り返って、真っ赤に燃え上がるような絶景が見られる。アマチュアカメラマンの人気スポットにもなっている。
白神山地にある深浦町には、樹齢1000年、高さ31メートル、幹周り22メートルの日本一のイチョウの大木がある。古くから地元で神木とされてきた。高さはビル10階分で、紅葉の時期になるとあたりが黄色く染まる。ライトアップされると輝くようで、ビッグイエローと呼ばれている。ライトアップされた紅葉は、弘前駅からバスで10分の弘前城でも見られる。弘前城では、城と庭園の日本建築の中で紅葉を見ることができ、NIKKEIプラス1「専門家が選ぶ昼も夜も紅葉を楽しめる庭園」では東日本2位にランキングされた。
紅葉以外にも、青森県では縄文遺跡が注目されている。青森駅からバスで30分の三内丸山遺跡は、昨年12月に「北海道・北東北の縄文遺跡群」としてユネスコ世界遺産への推薦が決定した。約5900年前から4200年前の大規模な集落跡が復元されている。施設内の縄文時遊館では、地下1階から地上1階にわたって、高さ6メートル、幅18メートルで5120個の土器のかけらが散りばめられた「縄文ビッグウォール」が、昨年から展示されている。古代から活発に交流や活動していた縄文人の雰囲気を間近に感じることができる。
そして青森県は温泉地数が全国第4位だそうだ。温泉の種類もバラエティー豊かで、日本海の夕陽が絶景の露天風呂の「金色のお湯の」不老ふ死温泉、「日本一お湯が黒い」モール温泉の東北温泉、文豪井上靖も逗留した下北半島にある「白濁したお湯の」下風呂温泉、「茶褐色のお湯の」毎分500リットルの源泉かけ流しの秘湯・古遠部温泉、「エメラルドグリーンのお湯の」新屋温泉と、泉質によってオリンピックの五輪のように異なる色の温泉もある。
グルメでは、青森最北端の大間のマグロがおいしい。津軽海峡で捕られるマグロは天然の本マグロで「黒いダイヤ」と呼ばれる。中でも大間で捕られるマグロは「大間マグロ」のブランドネームで広く知られている。大間町の「魚喰いの大間んぞく」では、絶品の大トロ、中トロ、赤身の三食丼を食べることができる。青森市の古川市場では、食券を買って好きな刺身、お肉などの具材と交換して、丼の上に乗せて食べる「のっけ丼」が人気だ。
青森県へのアクセスは、大阪(伊丹空港)から青森まで飛行機で1日に6往復の便が出ていて100分~110分で到着する。今年3月からは神戸空港から青森への便も1往復。早割やバースデイ割引など、お得なチケットもあるという。
青森の紅葉と温泉の中で、ゆったりと癒されて過ごすのもおすすめだ。
◆青森県観光情報サイトアプティネット
◆八甲田ロープウェー
◆蔦沼
◆深浦町のイチョウの大木
◆三内丸山遺跡
◆魚喰いの大間んぞく
◆古川市場