兵庫県豊岡市に移住した劇作家・演出家の平田オリザさんがパーソナリティーを務めるラジオ番組『平田オリザの舞台は但馬』(ラジオ関西、木曜午後1時~)。10月8日放送回では、9月に行われた「豊岡演劇祭2020」を軸に、芸術祭の楽しみ方や、スマートコミュニティの実現に向けた社会実験が話題に。「古いものを新しい時代に合わせていく」豊岡市の取り組みについて、豊岡市の中貝宗治市長に話をうかがった。
一時は開催が危ぶまれた、第1回「豊岡演劇祭」。実際に行われたイベントでは、様々な『挑戦』に取り組んだ演劇祭でもあった。
QRコードで「投げ銭」が可能な仕組みを導入したのは、世界の芸術祭でも初の試み。また、個人情報とはひもづけせずに、Bluetoothを利用し来場者の動きを把握するシステムも運用された。これらは、オンデマンド交通サービスなどは、演劇のみならず、今後のまちづくりに生かされるものといえよう。
そして、演劇祭がまちにもたらす『効用』は他にもあると、中貝市長は語る。「『演劇』は双方向のコミュニケーションで成立し、共感力を養うもの。わからないものを拒絶するのではなく、わからないままお腹に抱えて、それがどう変化していくのかをみるのも(演劇がもたらす)楽しみ」。アートがまちを力強く後押ししている実感を、豊岡市、そして、但馬の地は、この演劇祭という場を通じて得られたようだった。
『平田オリザの舞台は但馬』
放送日時:毎週木曜日 13:00~13:25
放送局:ラジオ関西(AM 558khz / FM 91.1mhz)
パーソナリティー:平田オリザ、田名部真理