サッカー・J1のヴィッセル神戸は、月末の28日、『フライデーナイトJリーグ』、いわゆる『金J』の試合として、J1第2節で鹿島アントラーズとのアウェイ戦に臨む。24日に放送されたヴィッセル神戸応援番組『GOGO！ヴィッセル神戸』（ラジオ関西）マッチプレビューのコーナーでは、対戦相手の今を知るということで、番組パーソナリティーの宮川陽香が相手の番記者に直撃。今回は鹿島の取材を行っている茨城放送の古瀬俊介さんに電話取材を敢行し、鹿島の最新の状況をリサーチした。（※25日、Jリーグは、2月28日から3月15日までのJリーグ、Jリーグルヴァンカップ戦の開催延期を発表。そのため、鹿島戦は延期に。開催日は未定）
宮川 天皇杯決勝で戦ったばかりですが、J1リーグ戦でもいきなりの対戦になりますね！
古瀬 そうなんですよね……。神戸さんは相変わらず調子がいいですよね……。一方、鹿島は2020年1月1日の天皇杯決勝で神戸さんとやって負けてしまい、それ以来、公式戦で勝っていないんです。だからこそ、次の神戸さんとの試合で、それを止めたいところなんですが、難しい試合になるかなというのが正直なところです。
宮川 鹿島はJ1第1節で広島と対戦し、結果は0-3でしたが、内容はいかがでしたか？
古瀬 一言で言うと、“熟成されたチーム”と“これから熟成していくチーム”の差がそのまま出たかなという感じでした。広島は、城福浩監督が3年目で顔触れやシステムがほぼ変わっていないことで、試合中、選手たちが同じ絵を描いていると感じました。鹿島は、選手が大幅に変わって、監督も変わって、オフも短く、正直、時間が足りないままリーグ戦に入ってしまったという感想です。
宮川 ザーゴ新監督はどんなサッカースタイルでしょうか？
古瀬 今のところはまだ「コレだ！」というものが見えてこないというのが、現状なんです。試合のなかでいろんなことを試しながらやっているというところもあります。ただ、ブラジルスタイルかなと思うところはあります。それは、鹿島伝統の4-4-2のシステムで、サイド攻撃を使うところが、まず1つ。それと、個人スキルの高さをいかし、それを連携させて相手ゴールに向かっていくという、これまで鹿島がやっていたサッカーを今のところは踏襲していると感じます。
宮川 オフは選手の入れ替わりが激しかった鹿島ですが、注目すべき新加入選手はいらっしゃいますか？
古瀬 新外国籍選手でブラジル出身の、7番、MFファン・アラーノ選手。試合の中で良い動きを見せているなと個人的に思っています。周りとの連携はもう少し必要かなと思われますが、個人技があり、非常に気の利いたところに顔を出すというところが見えてきていて、今後楽しみな選手ですね。
宮川 現時点で鹿島がチームとして機能しているところは？
古瀬 今シーズン、この先を通じて、ボランチが鍵になるのかなと。三竿健斗選手とレオ・シルバ選手のボランチコンビが昨シーズンに引き続き健在。ここで攻守の切り替えをしっかり果たしてくれれば、この先、鹿島はもっともっと良くなっていく感じがします。そして、今シーズンからキャプテンを務める三竿選手のキャプテンシーにも期待したいですね。
宮川 私たちの番組ではヴィッセルの若手に注目して取材していますが、鹿島の注目の若手選手を教えてください。
古瀬 高卒ルーキーで、26番のMF荒木遼太郎選手です。ここのところ非常にいいですね。若々しいプレーで、かつ、テクニシャンで、さらにマスクも良い！ 現在、私の中で、若手のイチオシ選手です。あまり身体は大きくはないほうですが、まだ粗削りなところはあるとはいえ、非凡なものを感じさせ、現時点でもセンスが見えるプレーを披露しています。さらに、彼はJ1第1節でデビューしましたが、鹿島で、高卒ルーキーがリーグ戦開幕デビューしたのは内田篤人選手以来のこと。それだけ期待されている選手といえます。
宮川 最後に、番組恒例で恐縮ですが、ウィークポイントを教えて下さい！
古瀬 そうですね……、神戸戦では難しい試合になるとは思いますが、今、チームは2トップ（第1節広島戦では、エヴァラウド選手と土居聖真選手が先発）の連携がもうひとつだなと感じます。前線までボールを持って行くことはできていて、広島戦でも惜しいチャンスがありましたが、そこからが、いつもの鹿島らしくないのかなと。ウイークポイントとしてはこの辺をあげていきたいと思いますが、全体的にも（チームは）まだまだというところをご理解いただければと思います。
宮川 神戸も鹿島も、開幕戦で勝つことができなくて、天皇杯での再戦ということもあり、今季のJ1初勝利をかけて、熱い試合になりそうですね。金曜日お互いにいい試合をしましょう！
古瀬 そうですね！ よろしくお願いします！
（インタビュー後記）
J1開幕戦から、新加入選手が多くスタメンに入っていた鹿島。その選手たちがフィットした瞬間、一気に「鹿島らしさ」が出てくるのではないでしょうか。また、ダブルボランチの三竿選手とレオ・シルバ選手の安定感は今季も脅威になりそうです。
その鹿島に対して、まずは、古瀬さんにウィークポイントで挙げられた2トップを神戸のDF陣がしっかりと抑えて、『目覚めさせない』ようにしたいものです。そして、前節見事な同点ゴールを決めた古橋亨梧選手や、新加入のドウグラス選手、鹿島戦3試合連続ゴール中の"鹿島キラー"藤本憲明選手など、神戸が誇るFW陣の得点力を見せて、神戸としては今季J1初白星を勝ち取りたいですよね。（『GOGO！ヴィッセル神戸』パーソナリティー宮川陽香）
