芸術文化と観光が学べる「芸術文化観光専門職大学」がいよいよ来春、兵庫県豊岡市に開学する。学長予定者でもある劇作家・演出家の平田オリザさんが、自身のラジオ番組『平田オリザの舞台は但馬』(ラジオ関西)で、詳しく解説した。
「城崎の課題は日本の課題」と話す平田さん。「国際的な観光立国になるためには、複数回訪れてもらえるような『食』をはじめとする体験型のプログラムや、日本が弱い『ナイトアミューズメント』などを企画、運営できる人材が不可欠」とし、インターン実習も積極的に行う方針だ。
卒業後のビジョンとして、平田さんは具体的なイメージを示す。
「高校生にもよく話をするのだけど、就職先のイメージとしては、例えば高級ホテルがありますよね。ホテルは泊まるところ、という印象が強いけれど、収益の半分以上はパーティーや催し。空間デザインや照明、演出ができる人材がいたら頼りにされますよ」
「『フロントマン』ではなく『コンシェルジュ』を育成したい。何か相談したらその人に合わせた旅行プランを提案してくれるのがコンシェルジュ。そのためには地域の歴史や文化はもちろん知っておかなくてはいけないし、ニューヨークの一流ホテルコンシェルジュは電話1本でブロードウェイのチケットも取ってくれるけど、本人は必ず作品を観ていなきゃいけない。例えば家族連れなら、雰囲気をみて『この作品!』とか勧められないとダメ。そんなアートの知識も持ち合わせている人材を育成したい」
「もちろん、アーティスト志望の方も来てもらって構わない。でも考えてみてください。すごく有名な映画俳優と同級生のホテルマンって強みじゃないですか? パーティーの司会、呼べるじゃないですか(笑)」
卒業生全員が「但馬の観光大使」となり、地域と人が交流する場がまもなく生まれる。そんな期待感に包まれた放送だった。
※『ラジコ』では放送後1週間はタイムフリーでの聴取が可能。番組では、平田オリザさんが、ともにパーソナリティーを務める田名部真理さんと、これまでの自身の話しや演劇界への思い、移住拠点となっている兵庫・豊岡、但馬地域について、トークを進めていく。
『平田オリザの舞台は但馬』
放送日時:毎週木曜日 13:00~13:25
放送局:ラジオ関西(AM 558khz / FM 91.1mhz)
パーソナリティー:平田オリザ、田名部真理
◆芸術文化観光専門職大学
https://www.tajima-kakeru.jp/