えびす宮総本社の西宮神社は12月16日、令和3年の「十日えびす」について、「開門神事」における恒例の「福男認証」(走り参り)を中止すると発表した。忌籠(いごもり)、開門神事は行う。
新型コロナウイルスの感染拡大が懸念されるなか、観光支援事業の「Go To トラベル」が全国一斉に停止されることに伴い、遠方からも参加者が多い開門神事における福男選びについては中止を決めた。
開門神事は、鎌倉時代の文献にもみられる「忌籠」により、1月10日午前0時にすべての神門を閉じて神事に入り、忌籠が明ける午前6時に開門する。その際、参道を走って本殿一番乗りを競う走り参りの風習が江戸時代から自然発生的に起こったとされる。
毎年、朱色の表大門前には大勢が集まり、開門と同時に約230メートルを疾走し、その年の「一番福」から「三番福」を目指して健脚を競っている。福男による鏡開きも恒例となっていた。
世界的なコロナ禍のなかで営まれる令和3年の開門神事について、当初、感染防止策として、11月15日から12月15日まで参加者を事前に募集し、その中から当日の参加者を80人に絞る抽選を12月17日に予定していたが、これも中止する。
1月10日午前0時からの忌籠と午前6時からの開門神事は行うが、毎年先着5千人に授与していた「開門神事参拝証」の授与も取りやめる。神社では「感染防止のため、参拝者を安全に本殿に誘導する方策を検討中」という。
◆令和2年の開門神事(ラジオ関西公式Twitterより)
開門の様子#西宮神社 #福男選び pic.twitter.com/LzVgaY6fBE
— ラジオ関西広報担当のつぶやき【公式】 (@Radio_Kansai_PR) January 9, 2020