毎週日曜午前8時からのラジオ番組『ラピスモーニング』(ラジオ関西)で、神戸大倉山・楠寺瑠璃光苑の住職、「ラピス和尚」さんの楽しい仏教うんちくを届けています。日頃なにげなく使っている言葉が、思いもよらない“ふか~い”意味を持っている。そんな感動をラジトピで連載していきます。2月7日放送回の辻説法は「流泉為琴」(りゅうせんをきんとなす)です。
自然界の音に耳を澄ましてみましょう! 風が吹いて葉がざわざわする音や、鳥の鳴き声、川の近くに住む人は、いつも水が流れる音を聴くことができるかもしれません。
いかがでしょう、車のクラクションや工事で地面を掘る音など人工的な音は「騒音」と感じますが、自然界の音で「不快!」という音はありますか? なぜか心癒されるような気がします。
なかでも渓流に流れる水の音は、清涼を深める琴の音のように心を晴れやかにしてくれます。浮世の塵に汚れがちな人の心を洗ってくれます。
日差しは暖かく、渓流のまわりには緑が茂り、小鳥が歌い、岩場をシカが歩きます。きれいな水の中には魚が泳いでいます。そしてそれを見つめるあなたがいる。その景色を俯瞰でながめると、あなたもそこで生きる命のひとつ。
そうです! 「流泉為琴」という言葉は、<自分も自然の中のいのちのひとつ 自分だけは特別だと思っていても、所詮、井の中の蛙 空の青さを知りなさい 世界の広さを知りなさい>ということなのです。
なんとやさしい禅語なのでしょうか。風流、風流!
※みなさまの知りたい禅語もぜひお寄せください!
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