神戸市須磨区の市営住宅で、元妻を殺害し遺体を押し入れに隠したとして、殺人・死体遺棄の罪に問われた住所不定、無職の男(50)の裁判員裁判・初公判が22日、神戸地裁で開かれ、男は死体遺棄罪は起訴内容を認めたが、殺人罪については「やっていない」と否認した。
起訴状によると、男は2018年12月、当時住んでいた神戸市須磨区の市営住宅で元妻(当時49)の首を圧迫して窒息死させ、遺体を布や粘着テープで包み、寝室の押し入れに隠して遺棄したとされる。
検察側は冒頭陳述で、男は元妻と17年近く連れ添ったが2014年に離婚。婚姻期間中も別の女性と交際していた。離婚後も同居し、元妻の収入に頼る生活を続けていた。元妻が仕事を失い収入がなくなると、しだいに元妻をうとましいと思うようになり、元妻が家を出て行かないことに腹立たしさを感じて、繰り返し暴行していたなどと指摘した。
弁護側は殺人罪について無罪を主張。 死因は首を圧迫(絞められて)殺害されたからなのかという「事件性」と、そうであったとしても男によるものなのかという「犯人性」を争う姿勢。裁判は22日の初公判から3月8日の判決まで6回開かれる。