毎週日曜午前8時からのラジオ番組『ラピスモーニング』(ラジオ関西)で、神戸大倉山・楠寺瑠璃光苑の住職、「ラピス和尚」さんの楽しい仏教うんちくを届けています。日頃なにげなく使っている言葉が、思いもよらない“ふか~い”意味を持っているもの。そんな感動をラジトピで連載していきます。2月28日放送回の辻説法は「神光照天地」(しんこうてんちをてらす)です。
今回は、神戸の天宮さんから、家に昔から家ある掛軸について質問がありました。「『神光照天地』と書いた大きな掛軸がありますが、意味を教えてください」とのことです。神の光が天地を照らすのでしょうか!? かなりダイナミックな映像が浮かぶ言葉ですが、いったいどのような意味があり、使われているのでしょうか。和尚にお聴きしました。
「神光とは、中国禅宗のナンバー2、慧可(えか)の本名で、禅宗をひらいた達磨の教えをついだおかげで禅が栄え、その徳がいま、天地を照らしています!」という意味とのこと。仏像を拝む弟子たちに対して伝えたその教えとは、以下のとおりです。
泥でつくった仏像は水に放り込めば溶けてしまう。
金でつくった仏像も炉に放り込めば溶けてしまう。
木でつくった仏像も火に放り込めば溶けてしまう。
像を拝むだけではなく自身の心の中の仏を見つめよ。
「神光照天地」とは、神々しい威徳の光が天地を照らしている様子を表すとともに、己を見つめる厳しい教えを学ぶ覚悟はあるのか、と突きつけられた厳しい言葉でもあるのです。
そんな大切な言葉が書かれた掛軸を何も知らずに掛けていたとは……、トホホ。あなたの家にある掛軸にもすごい意味があるかもしれません。
※みなさまの知りたい禅語もぜひお寄せください!
ラジオ関西『ラピスモーニング』(lps@jocr.jp)まで。
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