感染拡大が続く新型コロナウイルス。パンデミック(世界的な流行)宣言が出されるなか、兵庫と大阪ではライブハウス、医療施設、保育園などでウイルスの小規模な集団感染「クラスター」が発生した可能性が高い。兵庫県内の感染者は12日までに死者1人を含む46人に。
このほか近畿では、いずれも12日までに大阪府が89人、京都府が17人、和歌山県が14人、奈良県が8人、滋賀県が1人。
◆姫路市 仁恵病院
3月8日、50代の女性看護師が新型コロナウイルスに感染したと発表した。感染経路は不明。病院では12日までに50代~80代の入院患者7人と女性看護師2人の感染が確認され、院内の感染者は合わせて9人にのぼる。仁恵病院は15日まで外来診療を休止。院内での感染拡大を防ぐため、姫路市が国へ要請。厚生労働省「クラスター対策班」から1人派遣される。
◆伊丹市 デイケア施設・グリーンアルス伊丹
80代の男性利用者(宝塚市)が死亡後に行われた検査の結果、新型コロナウイルス感染が判明。50代の介護士や利用者など施設に関連した感染者は10人。デイケア利用者は約150人で、職員は26人。利用者の80代女性が感染したことが7日に判明、施設職員や家族らも相次いで陽性と判定される。12日に新たに70代の男性と90代の女性の感染を確認。系列施設の職員も含む感染者は12人に。
◆神戸市東灘区 認定こども園・聖ニコラス天使園
3月9日に50代の女性保育士の感染が確認された。このほか60代、30代、20代のいずれも女性職員も感染。発熱や咳といった症状があり、現在は市内の感染症指定医療機関に入院。12日にも50代の女性職員の感染が判明。聖ニコラス天使園では106人の子どもが利用、神戸市はクラスターが発生した可能性が濃厚だとして感染者と接触した園児らの検査を進めている。
◆大阪市 ライブハウス(4件)
すでに90人近い感染者が確認されている。いずれの会場も身動きが取れないほどの密閉空間だったとみられる。このうち2つを渡り歩いた人もいた。ライブ参加客のウイルス感染という連鎖は否定できない。