地球温暖化が進んでいるのは「海」 平均水温は半世紀で約0.15℃上昇「注視すべき」 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

地球温暖化が進んでいるのは「海」 平均水温は半世紀で約0.15℃上昇「注視すべき」

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 地球温暖化は小康状態? いえいえ、実は現在も進んでいる……。お天気キャスターとして活躍する気象予報士・防災士の正木明さんは、自身がパーソナリティーを務めるラジオ番組で、最近の海に起こっている変化をテーマに、地球温暖化への危機感を訴えた。

気象予報士・防災士の正木明さん
気象予報士・防災士の正木明さん(写真:ラジオ関西)

 正木さんは番組内で、次のように地球温暖化の現状を説く。

「地球温暖化が進み、世界的に危機意識が高まるものの、ここ10年から20年くらいは温暖化が停滞しているように見える。しかし、温暖化の原因となる温室効果気体、二酸化炭素などは増え続けているので、温暖化が止まって逆に寒冷化が進むという要素は見当たらない。ではその温室効果をもたらす『熱』はどこに行っているのか……、答えは海なんです」

 地球は陸地と海だと、海の方が圧倒的に広い。当然、温暖化が進むと陸も海も温度も上がっていくが、ここ10~20年くらいは、地球上の熱というのは海に吸収されているという観測データがあるとのこと。

 その1つとして示したのは、気象庁が2020年2月に「地球温暖化が進行 2019年の海洋の『貯熱量』は過去最大に!」という見出しで発表したもの。具体的には、▽深さ700~2000メートルまでのより深い層でも貯熱量は増加、▽1990年代半ば以降に貯熱量の増加が加速、▽2019年時点の貯熱量は監視期間において過去最大、以上の3点。海洋貯熱量は1955年から2019年の間に約43×10の22乗ジュール(※ジュールはエネルギーや熱量の単位)増加し、平均水温は約0.15℃上昇した。

 さらに気象庁は今年2月、「2020年の日本沿岸の平均海面水温が過去最高を記録」とのデータも発表。2020年の日本沿岸の平均海面水位が平年に比べて87ミリ高くなり、これは統計を開始した1906年以降で最も高くなったということがわかった。海面水位の上昇の原因は、日本の南方を流れる黒潮(暖流)が蛇行しているからではないかといわれている。

「地球全体の表面積を見ると陸地より海の方が圧倒的に広いので、(海の温暖化で)今後、日本だけではなく世界の気候に影響を与えるというのが気になるところ」と危機感を抱く、正木さん。「海の温度が上がっているという変化がある。これから台風などの被害も大きくなるのかもしれない。情報を無視することなく注視していくべきではないだろうか」とコメントする。

 また、「気象庁もしっかりと観測データをとっていただいているのはありがたい。地球の現状がしっかりわかるというデータなので、こういうのはちょっと難しい情報なのかもしれないが、無視しないでこの番組内でもお届けできたらと考えている」と、環境問題を取り扱う自身の番組でも積極的に情報を伝えていきたいと述べていた。

※ラジオ関西『正木明の地球にいいこと』2021年3月8日放送回より


◆『正木明の地球にいいこと』ホームページ

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