日本を代表する世界的冒険家・植村直己さんの「知恵と技術」「ひととこころ」を伝える施設、「植村直己冒険館」が、4月20日(火)にリニューアルオープンする。植村さんを知らない若い世代にむけて、館長の吉谷義奉さんが、植村さんの魅力的なお人柄をラジオ番組『平田オリザの舞台は但馬』(ラジオ関西)4月1日放送回のなかで存分に語った。
「僕の日本で一番尊敬する人物は昔から植村直己さんです」と言い切る平田オリザさん。いつもよりやや興奮気味に番組がスタートした。
植村直己冒険館は1994年に植村さんの故郷である兵庫県豊岡市日高町に開館。植村さんの不撓不屈の精神、チャレンジすることの大切さを伝える施設として、長く愛されてきた。今回のリニューアルでは、植村さんの冒険に刺激を受けた子どもたちの「やってみたい」を応援する体験型施設「どんぐりbase」も登場する。
吉谷館長は番組のなかで、多くの人に慕われた植村さんにまつわる貴重なエピソードを披露した。
「植村さんは大学を出てアメリカに行くためにとび職のアルバイトを志願するのですが、『長続きしないよ』と門前払い。でも、しばらく通って、採用後、朝から晩まで熱心に働く植村さんを見て、現場監督も見方を一変。お金を貯めて、アルバイトを辞める時には『仕事で手を抜くことをしなかった』植村さんに壮行会をしてくれたそうです」
「上皇后美智子さまも植村さんのファンで、昨年の5月11日(植村直己さんが日本人で初めてエベレスト登頂に成功した日)には、植村さんの奥様にお電話もされたそうです。1992(平成4)年には植村さんの和歌も詠まれていますよ。常陸宮妃華子さまはご夫婦で親交がおありだったそうで、(植村さんのアラスカ冒険に同行した)犬ぞりの犬を飼われたそうですが、あまりに多くてしつけが大変だったそうです」
「植村さんの偉業を知っている人は多いけれど、植村さんのことを知る方は口を揃えて『あんなに律儀な人はいない』『あんな謙虚な』『あんなに一所懸命な人はいない』といいます。それを日高や竹野の人にももっと知ってほしい。そして、実はそうした律儀な人、一所懸命な人は身近にもたくさんいるのです。ただ、今の世の中はそうした人が評価されていなかったりするもの。そんな人を皆さんのまわりで見つけてほしい」(以上、吉谷さん)
【植村直己冒険館 公式HP】
※『ラジコ』では放送後1週間はタイムフリーでの聴取が可能。番組では、平田オリザさんが、ともにパーソナリティーを務める田名部真理さんと、これまでの自身の話しや演劇界への思い、移住拠点となっている兵庫・豊岡、但馬地域について、トークを進めていく。
『平田オリザの舞台は但馬』
放送日時:毎週木曜日 13:00~13:25
放送局:ラジオ関西(AM 558khz / FM 91.1mhz)
パーソナリティー:平田オリザ、田名部真理
メール:oriza@jocr.jp