兵庫県は1日、神戸市以外で3月15~21日の7日間に新型コロナウイルスの感染者と判明した人のうち、76.9%に当たる70人分の検体を調べたところ、このうち80%の56人分で変異株の疑いがあったと発表した。いずれも「英国型」。変異株の感染状況を把握するために兵庫県が独自に行っている、新型コロナウイルス検体のスクリーニング検査による。その後、国立感染症研究所でゲノム解析して、由来などを調べた。
変異株はいずれもイギリスから感染が広がっている「英国型」。井戸敏三知事は1日に開いた記者会見で、「いずれも聞いている話だ」と前置きして「変異株は、以前と違って10代やそれ以下の子どもたちにもうつる。これが家庭での感染数を増やしている。長期間の入院が必要で、病床ひっ迫を招いている」と述べた。
独自検査は兵庫県健康科学研究所(加古川市)で行われた。3月1日~7日までの1週目で66.7%、14日までの2週目で52.6%だったため、3月に入って急増していることになる。1月末からの合計で164の検体が検査されたうち、約40%にあたる67の検体が変異株と判明、井戸知事は「変異株が従来のウイルスから変異株への置き換えが他の地域より先行しているのではないか」と危機感を示している。
神戸市も1日、同じ期間で感染が判明した人のうち、63.7%に当たる109人分の検体を調べ、57人分(52.3%)からイギリス由来の変異株が見つかったと発表した。