ラグビーのワールドカップ日本大会で、神戸メリケンパークで開催されてきた「ファンゾーン」が、8日(火)に終了する。
会場の一角では『平尾誠二フィールド』として今大会の誘致に力を尽くした故平尾誠二さんの足跡をたどることができる。平尾さんの写真を撮り続けてきたカメラマンが平尾さんの圧倒的な存在感を語った。
平尾さんは京都・伏見工3年のときに全国高校選手権で優勝し、当時史上最年少の19歳4か月で日本代表に選ばれた。同志社大で史上初の大学選手権3連覇に貢献し、神戸製鋼では日本選手権7連覇を達成した。
ワールドカップには現役選手として第1回から3回まで出場し、その後、日本代表監督、神戸製鋼のゼネラルマネージャー兼総監督、ラグビーワールドカップ2019日本大会組織委員会理事などを歴任した。積極的に誘致活動し、開催都市へ助言などを行いながら2016年に他界した。
ファンゾーンは、ワールドカップの各開催都市が設置するおまつり広場。神戸会場のメリケンパークに設けられた平尾誠二フィールドでは、平尾さんの現役時代に実際に着用したジャージーや写真パネル、名場面の映像などを見られる。
こうした平尾さんのプレーやプライベートを追った写真は、35年間、平尾さんを見つめ続けたカメラマン・岡村啓嗣(ひろつぐ)さんが撮影している。
岡村さんが平尾さんを知ったのは1981年、平尾さんが同大時代の全国大学ラグビー選手権。負けて悔しがる平尾さんの表情を見て「オオカミのような目だ」と感じたという。その後、けがでリハビリに励む様子や同大でチームをまとめるリーダーぶりを密着取材し、「君の10年後も見てみたい」と本人に伝えた。
平尾さんのラグビーに対する確固たる信念・分析力、食事などリラックスした場面での会話……。
岡村さんは人物写真の専門家としてスポーツ選手を追いかける機会が多いが、平尾さんの撮影を重ねる日々が「知的な魅力にあふれていて、最も楽しかった」という。
ファンゾーンの平尾誠二フィールドを訪れた岡村さんは、「平尾を失った悲しみと35年間の思い出が一気によみがえった」と語った。(SJ)
ラグビーワールドカップ2019日本大会 神戸ファンゾーン
(https://www.rugbyworldcup.com/news/457003)
最終日日程:2019年10月8日(火)11:00~21:30
会場:メリケンパーク(神戸市中央区)
アクセス:JR・阪神「元町駅」から徒歩約14分、地下鉄海岸線「旧居留地・大丸前駅」から徒歩約12分
入場料:無料