竹内明久「消えゆく“モトコー”を記録する」 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

竹内明久「消えゆく“モトコー”を記録する」

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 切り絵作家の竹内明久さんが9月14日、ラジオ関西『桂春蝶のちょうちょ結び』(土曜8:00-10:00)に生出演した。

切り絵作家の竹内明久さん(写真中央)がラジオ関西『桂春蝶のちょうちょ結び』に出演。左は番組パーソナリティーの桂春蝶、右がケーちゃん(写真:ラジオ関西『桂春蝶のちょうちょ結び』)
切り絵作家の竹内明久さん(写真中央)がラジオ関西『桂春蝶のちょうちょ結び』に出演。左は番組パーソナリティーの桂春蝶、右がケーちゃん(写真:ラジオ関西『桂春蝶のちょうちょ結び』)

 モトコーとは、神戸市のJR・阪神元町駅と神戸駅間の高架下に存在する商店街である。正式名は元町高架通商店街。

 竹内さんは「戦後の闇市から始まった商店街で、昔は、子供や女性は近寄っちゃいけないよと親から言われるような場所だった。一方で、『MR.BOND』さんのように戦後からいち早くトラッドファッションを揃えて神戸のセンスを磨いてきたような洋服屋さんもある。玉石混交です」とモトコーを語る。

 そんな、モトコーも、2016年、耐震補強・防火・防犯を理由にJR西日本から商店街店主らに退去要請が出された。現在、空き物件から徐々に工事が進められている。

「現在進行形でお店がどんどん無くなっている。リニューアルされるが、その時代の雰囲気は、もうなくなると思います。いまの雰囲気を、なんとか留めておきたいと、お店にお願いしてモデルになってもらって、切り絵として形にしてきました」(竹内さん)

切り絵作品と随筆集「犬の目、人の眼差し」より
切り絵作品と随筆集「犬の目、人の眼差し」より

 このたび、これらの作品を集めて切り絵と随筆集『犬の目、人の眼差し』を上梓した。「犬の目」とは、戦後の闇市時代に戦災孤児や港湾労働者、外国人船員など野良犬のように目をギラギラさせて徘徊した人たちの目。「人の眼差し」とは、弱さや悲しみを包み込むような優しいまなざしのこと。

「モトコーは、生きるために、自然発生的にできたところ。戦後日本人の原点のような気がしますね。お腹をすかした人たちが生きるために一生懸命いろんなものを調達した場所ですから。私はモトコーを『神戸の昭和遺産』と名付けました」(竹内さん)

 番組パーソナリティーの桂春蝶は、「モトコーのように、こうやって生きているぞというか、人の鼓動や体温を感じれるところって残って欲しい。来たら元気になれるから」と、モトコーのよさを表現したうえで、「いつも言っているけど『時代遅れと人はいうけれど、時代が正しいとは限りません』って……。これ、お寺の表に貼ってあったやつパクったんですけどね」と笑いを誘った。

●闇市時代の痕跡を残す「モトコー」の消え行く風景を記録する
切り絵作品と随筆集「犬の目、人の眼差し」
※ジュンク堂書店(三宮店、三宮駅前店、神戸さんちか店)
垂水の流泉(りゅうせん)書房で販売。一般流通なし。

●個展「『犬の目、人の眼差し』発刊記念展」開催中!
9月23日(月・祝)まで 12時~19時(最終日は17時閉場)
モトコー2番街「プラネットEartH」内「Pocket 美術函モトコー」
入場無料 ※会期中、竹内さんは在廊 ※本も販売

【番組公式Twitter】https://twitter.com/musubi558911

桂春蝶のちょうちょ結び
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