サッカーの明治安田生命J1リーグ戦は、14日、第26節の7試合が行われ、ヴィッセル神戸はダビド・ビジャと小川慶治朗のゴールで松本山雅FCに2-1と勝利した。これで9勝5分け12敗、勝点を32とした神戸。第7節以降は10位以下が続いていたが、約5か月ぶりにトップ9となる9位まで、順位を持ち直した。
J1リーグ戦中断期間を経て、9月最初の試合に臨んだ神戸。アンドレス・イニエスタやルーカス・ポドルスキはベンチ入りしなかったものの、ビジャが第20節横浜F・マリノス戦以来、6試合ぶりに先発復帰。GKにはこちらも6試合ぶりに前川黛也がスターティングメンバーに名を連ねた。また、EURO2020予選のベルギー代表に合流し、10日のスコットランド代表戦ではゴールも決めたトーマス・フェルマーレンも、元気に先発のピッチに立った。
試合が動いたのは、前半の13分。エースストライカーが均衡を破る。左サイドで酒井高徳が縦パスを出すと、それを敵陣ペナルティーエリア手前で受けたのはビジャ。相手DFに囲まれながらも、うまく持ち込み、冷静に右足を振りぬく。これが相手GKの届かない、右スミの絶妙なコースに決まった。ビジャの第18節清水エスパルス戦以来8試合ぶり、今季11得点目となる一撃で先手を奪った神戸。堅守速攻が持ち味の松本に対し、「計画通りに点を取って試合を優位に進めることができた」(トルステン・フィンク監督)。
ただし、その後は、一進一退の状況が続く。神戸はビジャや古橋亨梧らが追加点を奪おうと相手ゴールを脅かすがシュートはなかなか決め切れない。それでも、守備ではGK前川の好守もあり、松本の決定機を阻止すると、迎えた80分、クリムゾンレッドにとってほしかった2点目が生まれる。セルジ・サンペールが敵陣右サイド深くへ的確なフィードを送ると、これを受けた西大伍が右アウトサイドで絶妙クロス。そのボールにゴール前で反応したのは、途中出場の小川。うまくバックステップして相手DFのマークを外しながら、ヘディングシュートを決め切った。クリムゾンレッドの13番にとっては第13節名古屋グランパス戦以来、今季2ゴール目となる得点。スタジアムを大いに沸騰させた生え抜きアタッカーの一撃が、試合を決定づけた。
終了間際に松本のセルジ―ニョに1点を返された神戸だが、2-1で勝ち切り、クラブのJリーグ通算入場者500万人達成となった記念すべき試合を勝利で飾った。「試合展開には非常に満足している」というのは、フィンク監督。殊勲のビジャは「大事な局面でゴールを決めることができ、チームにも味方にも大事な仕事ができ、チームの勝利に貢献できてうれしい」と語っていた。
神戸はこの後、中3日で、18日(水)の天皇杯ラウンド16(4回戦)、川崎フロンターレとの試合に臨む(19:00キックオフ/神戸総合運動公園ユニバー記念競技場)。また、J1リーグ戦は再び中断期間に入り、次節は28日(土)、神奈川県川崎市の等々力陸上競技場で、川崎Fとのアウェイ戦に挑む。
※16日の放送回では、松本戦を振り返りながら、小川慶治朗選手と前川黛也選手の試合後インタビューをお届けする予定だ。