姫路城ゆかりの千姫を女性目線で描く 新作オペラ12月に開催 原作は玉岡かおるさん | ラジトピ ラジオ関西トピックス

姫路城ゆかりの千姫を女性目線で描く 新作オペラ12月に開催 原作は玉岡かおるさん

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 今秋の姫路市文化コンベンションセンター「アクリエひめじ」開館を飾るオープニングシリーズの一つ、新作オペラ「千姫」の制作発表会が、このほど同市内のホテルで開かれた。

新作オペラ「千姫」の制作発表会の様子

「姫路城ゆかりの千姫にちなむ群像劇を後世に残る文化的遺産に」と、姫路市文化国際交流財団が企画した大型プロジェクト。原作者、作曲家、出演者らが舞台への思い、互いへの信頼を熱く語った。

 徳川家康の孫にして、父は2代将軍秀忠、母は織田信長の姪・お江、弟は3代将軍家光という、姫路城至高のヒロイン「千姫」が主人公。天下泰平のために幼くして嫁いだ豊臣秀頼との別れ、徳川四天王につながる名門、桑名藩主本多忠政の嫡男・忠刻との再婚、領民から播磨姫君と称され穏やかな日々が続くかと思われた姫路時代、そして最愛の夫との死別と姫路出立の決意─。時代に翻弄されながらも試練に打ち勝ってきた波瀾の生涯を描く。

 原作は加古川市在住の作家・玉岡かおるさんが2018年に発表した「姫君の賦 千姫流流」。玉岡氏は「これまで描かれてきた“美しくたおやか”、“悲劇の姫君”といった男性目線の千姫像に何か物足りなさを感じていた。一人の女性としての喜びや哀しみ、そして強さも感じられる“人間・千姫”を描いた」と語る。

「交響曲と比べてオペラには指揮に男女の違いが生まれる余地がある」と語るのは、指揮を務める田中祐子さん。「男性演出家との意見の違いもあるだろうが、女性ならではの視点を生かしたい」と抱負を述べている。

 主役を演じるのは「千姫のイメージにぴったり」と前評判も高い、ソプラノ歌手・小林沙羅さん。リモート出演で「夫や子どもを失っても前を見て希望を歌う千姫のアリアに思いを込めたい」と意気込んだ。

 また、作曲は日本を代表する作曲家で同財団の芸術監督でもある池辺晋一郎さん。脚本・演出に親交の深い平石耕一さん、岩田達宗さんを起用して盤石の布陣を敷きつつ、「どんな仕上がりになるのか楽しみ」と期待を寄せる。

 播磨ゆかりの出演者にも注目。千姫の義父・本田忠政を演じる池内響さんは、まさに姫路出身の新星。「故郷の物語を、市民が待望する新しいホールの記念公演で演じることができるのは、自分にとって特別」と興奮気味。ほかに、しらさぎ音楽院学院長や同志社女子大学音楽学科教授として活躍するベテラン井上敏典さんも宮本武蔵役を務める。

 公演は姫路城世界遺産登録記念日の12月11日と翌12日、大ホールでいずれも午後3時から。チケットはS席6千円、A席4千円など、財団友の会会員向けが6月15日、一般向けが6月17日から発売する。問い合わせは姫路市文化センタープレイガイド(電話079-298-8015)まで。


【姫路市文化コンベンションセンター「アクリエひめじ」 公式HP】

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