兵庫県丹波市の林道で5月6日未明、中学2年生の少女(当時13)の遺体が見つかり、この少女と2人で自殺を図ったと説明する住所不定・無職の男(23)が死体遺棄の疑いで逮捕された事件で、兵庫県警・丹波署は16日、男をわいせつ目的誘拐の疑いで再逮捕した。
男は5月5日午前6時すぎ、兵庫県内居住の少女を自分が運転する軽乗用車に乗せて「2人で一緒に死のう」などと話して誘拐した疑いが持たれており「間違いありません」と容疑を認めているという。丹波署は、わいせつ目的誘拐容疑での立件について「所要の捜査のうえ判断した」としており、具体的な理由を明らかにしていない。
男が少女を連れ去ったとされる約20時間後の6日午前3時前、少女が死亡しているのを認識しながら遺体を丹波市氷上町の林道に放置、死体遺棄容疑で逮捕、送検された。少女の家族からは5日に捜索願が出されていた。
当時、丹波市内の交番に駆け込んだ男は「自殺しようとしたが、死にきれなかった」などと説明していた。少女の遺体の近くに練炭の燃えかすがあり、死因は練炭の不完全燃焼による急性一酸化炭素中毒だったことも判明。兵庫県警・丹波署は心中を図った可能性があるとみて捜査していた。
男が所有していた運転免許証に記された住所は鹿児島県内で、「車中で寝泊まりをしながら(関西まで)来た」と話しているという。また「少女とはSNS=会員制交流サイトを通じて知り合った」説明しており、丹波署はさらに、少女の死亡までの経緯を調べる。
神戸地検は16日、男の死体遺棄容疑について、いったん処分保留とした。