「ゼロ」から「イチ」を生み出すのは並大抵のことではない。作家は何から着想を得るのだろうか……。劇作家・演出家の平田オリザさんが、自身がパーソナリティーを務めるラジオ番組でリスナーの質問に答えた。
「どんな時に作品のイメージがわくのか」というリスナーからの質問を受けた平田さん。「私の場合、一幕もの(場所が動かないもの)が多いので、『あ、この場所だったら演劇の舞台になるな』というのがあったとき、これが創作のきっかけになります。そして、いろいろ調べていく感じですね。着想から作品になるまでかなり時間はかかるんですが」と、発想の源を明かした。
◆子ども向け新作演劇が大好評「私の芝居には珍しく、感動のラストがある(笑)」
昨年は劇団員とともに子ども向けの新作演劇も制作した平田さん。兵庫・但馬地域の幼稚園や保育園で上演したところ、大好評だったという。
「『ちっちゃい姫とハカルン博士』という作品で、ちっちゃい国のちっちゃい姫が、でっかい国のでっかい王子に馬鹿にされて悔しくて、博士のところに相談に行くんです。でも物事っていうのは相対的なので、比べるものによって小さくなったり大きくなったりするもの。子どもたちにはスライドを見せながら、ものを比べたりはかることがどういうことか興味をもってもらう。『知育演劇』と呼んでいるんですが、上演してみたら大好評でした。この作品には私の芝居には珍しく、感動のラストがあるんですよ(笑)」(平田さん)
番組では、同じくパーソナリティーを務める田名部真理さんも幼少期から物語を考えるのが好きだったというエピソードを披露。「今のお仕事にも生かされています」と締めくくった。
※ラジオ関西『平田オリザの舞台は但馬』2021年5月20日放送回より
※『ラジコ』では放送後1週間はタイムフリーでの聴取が可能。番組では、平田オリザさんが、ともにパーソナリティーを務める田名部真理さんと、これまでの自身の話しや演劇界への思い、移住拠点となっている兵庫・豊岡、但馬地域について、トークを進めていく。
『平田オリザの舞台は但馬』
放送日時:毎週木曜日 13:00~13:25
放送局:ラジオ関西(AM 558khz / FM 91.1mhz)
パーソナリティー:平田オリザ、田名部真理
メール:oriza@jocr.jp