2009年から2011年にかけて、姫路市内や東京都内などで元暴力団組員など男性3人を殺害したなどとして、殺人や逮捕監禁致死などの罪に問われた男(54)の控訴審で、大阪高裁は19日、弁護側の「量刑不当・事実誤認」とした主張を棄却、一審の神戸地裁・姫路支部の死刑判決を支持した。弁護側は上告する方針。
一審では弁護側が一部の殺人罪について無罪を主張し、検察側は死刑を求刑していた。
事件をめぐっては、主犯は一・二審とも無期懲役とされた元パチンコ店経営の男A(50)で、男は実行犯とされる。2人は共謀し、2010年に広告会社元社長(当時50)を射殺、2011年には兵庫県姫路市で元暴力団組員(当時37)の首を絞めて殺害したなどとして起訴された。元社長の遺体が見つかっていないが、この殺人事件についてAが無罪、男は有罪と認定された。なお一連の事件で死亡した3人のうち、2人の遺体は見つかっていない。
男は『Aの指示を受けて元社長を射殺し、報酬を受け取った』と述べており、弁護側は「あくまでも従属的な立場で、男の量刑が事件を主導したAより重くなるのは不当」と主張していた。
判決で大阪高裁は「殺害態様は、理不尽な理由から拳銃で射殺するなど冷酷なものであり、強固な殺意に基づく。Aが主謀だが、男はAの指示のもと報酬を得るなど、実行犯として重要な役割を果たしており、一審の死刑判決はやむを得ない」などとした。