JR西日本は25日、尼崎市で4月25日に予定していた福知山線脱線事故の追悼慰霊式を中止すると明らかにした。新型コロナウイルスの感染拡大を考慮したもの。式の中止は初めてで、JR西日本は「苦渋の決断であり、行事の自粛を求める政府、自治体の動きを勘案した」としている。
式は中止するが、当日の午前中に現場にある慰霊施設「祈りの杜」を遺族と負傷者にのみ開放し、午後から一般の献花などを受け付ける。
事故で3両目の車両に乗り、大けがをした伊丹市の増田和代さんはラジオ関西の取材に「安心や安全を訴えかける慰霊の場で追悼の集いを取り止めるのは仕方がない。もともと、亡くなられた方はもう『祈りの杜』にはいない。そういったことも考えさせられたこれまでの15年だったように思う」と話した。
JR脱線事故追悼慰霊式中止へ 新型コロナ影響、15年目の「4.25」安心・安全を訴えるからこそ
2020/03/25