兵庫県姫路市で2020年7月、交際していた女性(当時・24)を包丁で刺すなどして殺害したとして殺人罪に問われた住所不定、無職の男(37)の裁判員裁判で、神戸地裁姫路支部は27日、求刑を上回る懲役22年(求刑・懲役20年)を言い渡した。
起訴状などによると、2020年7月12日午後、姫路市の集合住宅で女性会社員の首を両手や延長コードで絞め、腹を包丁で複数回突き刺して殺害したとされる。男は起訴内容を認め、被告人質問で「女性に別れ話を切り出され、カッとしてしまったが、あの時、命を奪うまでのことだったのかと思っている。時間を巻き戻すことができたら、と後悔している」などと述べた。
判決で神戸地裁姫路支部は「包丁で刺したのは10数か所にのぼり、このうち1か所は背部にまで及ぶなど強い殺意に基づく。犯行が被害者の幼い長男に与えた影響は計り知れない」とした。さらに▼犯行態様の残忍性と危険性▼身勝手な動機▼結果の重大性などを挙げ、法廷での証言で真摯な反省態度が見受けられず、不自然な供述に終始し、再犯可能性が高いなどと厳しく指摘、求刑を上回る懲役22年を言い渡した。