神戸市は8日、市内の集団接種会場で行われた新型コロナワクチンの接種で、接種を受けた人数が、使ったワクチン数を上回るトラブルがあったと発表した。市は「接種を受けた全員の予診票には医師のサインがあり、(ワクチンを)打ったことになっている。さまざまな仮説が想定されるが、実際には原因は不明」としている。
神戸市によると、トラブルは6日中央区の集団接種会場になっている商業施設「サンパル」(中央区雲井通)で起きたという。ワクチンは、1バイアル(ワクチンが入った小瓶)あたり6人分で、同日には84バイアルを使用。床に落として使えなくなったシリンジ(注射筒)が1本あり、計算上では503人分のワクチンしか使っていないはずだが、実際には6人多い509人が接種を受けていた。使用済みのバイアルに残ったワクチンの濃度はすべて正しく、希釈の段階では問題はなかったとみられる。
市は、最大で6人に正しくワクチンを接種できなかった可能性があるとして、1回目の接種だった343人と2回目の接種だった166人の全509人に抗体検査を行う。1回目だった人は3週間後の2回目の接種時に、2回目だった人は個別に連絡して検査し、抗体が確認できなければ再度ワクチンを接種する。