なぜ、一番得意なものを「十八番」というの? 日本の伝統芸能がルーツなんです | ラジトピ ラジオ関西トピックス

なぜ、一番得意なものを「十八番」というの? 日本の伝統芸能がルーツなんです

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 新型コロナウイルス感染防止のため、「大好きなカラオケ店で十八番の歌を歌えない!」という方も多いかもしれませんが、なぜ「十八番」というのでしょうか? そしてその読み方は……?

「十八番」=「おはこ」と読みます。「じゅうはちばん」と読んでも間違いではありません。

 新明解国語辞典(第八版)で「おはこ」を調べると、「[御箱の意]得意(の芸)。御家芸オイエゲイ。」と、ありました。つまり「十八番」とは「お家芸」のことです。

 よく「柔道は日本のお家芸」という表現を聞いたことがある方も多いでしょう。「柔道」は日本が得意とする競技です。この場合、「お家芸」の家にあたるのは「日本」ですが、「十八番」の場合の家とは、どこの「家」のことなんでしょうか?

 この家とは、歌舞伎の市川(團十郎)家のことで、300年以上の歴史があります。

「新明解国語辞典」には『十八番(この場合の読みは<じゅうはちばん>』について、「歌舞伎俳優の市川家に伝来した新・旧各十八種の得意の狂言。[その人のレパートリーのうち、一番得意のものの意にも用いられる]『歌舞伎―』」とあります。

 歌舞伎十八番とは、七代目市川團十郎(いちかわ・だんじゅうろう)によって1832(天保3)年に定められました。

 初代から四代目までの團十郎が演じて得意だった勧進帳(かんじんちょう)、鳴神(なるかみ)、助六(すけろく)、外郎売(ういろううり)など18の演目を集めたものです。

「十八番」という言葉は、ここから由来した言葉でした。

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