ハイブリッド車「プリウス」や高級車「レクサス」など169台や部品が、売却目的で兵庫や大阪など6府県で盗まれる被害があり、兵庫県警が窃盗などの疑いでブラジル人などの外国人を含む男女15人のグループ(20~40代)を逮捕、送検した。被害総額は約7億円にのぼるとみられる。スマートキーから発信する電波を使い、離れた場所に停まっている車のロックを解除する「リレーアタック」という手口で繰り返し犯行を繰り返したという。
主犯・指示役とされるのは大阪府堺市の金取引業の男(32)。15人のうち11人はすでに起訴され、一部は公判中。捜査関係者や公判供述などによると、グループは盗んだ車と同種の事故車両を中古車販売業の知人から購入するなどし、そのナンバープレートや車体番号を付け替え、中古車を解体する「ヤード」と呼ばれる大規模アジトに売却していたという。男はグループの指示役で、暴力団関係者などから注文を受けて車を仲間に盗ませていたとみられる。盗んだ車は静岡県沼津市内の工場でパキスタン人のもとに渡り、車体番号を変えた後、国内で中古車として流通させていた。
兵庫では尼崎市内や姫路市内で発生、兵庫県警は2019年3月~2020年6月にかけて愛知、京都、大阪、兵庫、奈良、徳島の6府県で、車約169台や部品の盗難や盗品等処分あっせんなど計250件の被害を裏付けた。