指定暴力団・六代目山口組と神戸山口組との対立抗争が激しさを増すなか、建設業者を恐喝した罪で2014年に収監された六代目山口組のナンバー2とされる若頭・高山清司受刑者が、今週にも出所することが捜査関係者への取材でわかった。
国内最大の指定暴力団・六代目山口組は、運営方針に反発したグループが2015年に分裂して神戸山口組が生まれ、そこからさらに離脱したグループが任侠山口組を結成し、「3つの山口組」となった。
警察庁によると分裂以降、山口組と神戸山口組の対立抗争とみられる事件やトラブルは先月(9月)までに113件発生している。
また今年8月に神戸市で起きた山口組の中核団体「弘道会」の神戸事務所に対する襲撃事件は、対立する神戸山口組の幹部が刃物で襲われた事件の報復とされるが、この事務所はかつて、高山受刑者の生活拠点=別宅であったことから、神戸山口組側が報復以外の目的で出所前にけん制したという見方もある。
一方、六代目山口組にとって、今月10日に起きた神戸山口組の中核団体・山健組への報復襲撃は、ナンバー2の復帰を前に組織としての威力や存在感を対外的に示す狙いがあり、高山受刑者の出所により組織の統制をさらに強めるとみられている。
強硬派とされる高山受刑者の服役中に分裂して「3つの山口組」となったことを踏まえると、今後、高山受刑者が復帰すれば山口組に反旗をひるがえした幹部らへの報復も考えられ、兵庫県警はさらに警戒を強めている。(ラジオ関西ニュース)