毎週月曜日の午後6時からラジオ関西で放送している、サッカー・J1のヴィッセル神戸応援番組『GOGO!ヴィッセル神戸』。9日の放送では、J1リーグ戦中断期間中に番組パーソナリティーの「みやはる」こと、宮川陽香が、神戸の練習場「いぶきの森球技場」で練習後に選手たちを取材した模様を、コメント音源をまじえて届けた。そのなかで、取材に応じたMF山口蛍は、「ホームはもちろん、アウェイでもたくさんサポーターの方が来てくれていますし、そのサポーターに応えるためにも、僕たちはもっとやらなくちゃいけない」と、サポーターの思いを力に、14日のJ1第25節松本山雅FC戦をはじめ、今後の試合での勝利にさらなる意欲を燃やしていた。
「今のヴィッセルに一番必要と思えるくらい、蛍選手の存在感は大きい。精神面でもほかの選手を支えてくれる存在」とパーソナリティーの宮川も述べるように、いまやチームの核といえる中盤の要、山口。育成組織を含めて延べ15シーズンにわたってプレーし、昨年もキャプテンを務めていたセレッソ大阪から、今季、神戸に移籍。不退転の覚悟でクリムゾンレッドのユニフォームを身にまとったなか、ここまでチームでは唯一のJ1リーグ戦全25試合フルタイム出場中と、中心選手として活躍。4月からは西大伍とともに副キャプテンを担い、キャプテンを務めるアンドレス・イニエスタとともに、名実ともにヴィッセルの牽引役となっている。
今季のチームのいいときも悪いときも、ひたむきに攻守にわたってチームのためにプレーしてきた、山口。「やっている内容やサッカーは間違いなく悪くはない。実際に(前節の北海道コンサドーレ)札幌戦も内容はよかったと思うので。ただ、セットプレーだったり、ちょっとしたミスのところでの失点が、この間だけでなく、今シーズンは結構あるので。みんなで、もう少しそういうところに気をつかって、ゲームを進めていけるようにしていけたらいいかなと思います」と、チームの方向性の継続を重視しつつ、現状の課題をしっかり分析する。
また、「(松本は)セットプレーに特長のあるチームで、前回のアウェイ戦でも、そのセットプレーからやられて負けているのもあるので、そこは気をつけたい。自分たちもこの間の試合(札幌戦)でセットプレーから2点取られているので、そこは相手も狙ってくると思う。そこが一番気をつけなくちゃいけないポイントかなと思います」と、松本戦のポイントとして挙げたのも、課題のセットプレーの守備。反町康治監督率いる松本のセットプレーのバリエーションは以前から豊富であり、一瞬の隙を突く巧さも兼ね備えるだけに、山口やGK飯倉大樹、DFトーマス・フェルマーレンやダンクレー、酒井高徳らを中心に、コミュニケーションを取りながら、ディフェンスを引き締めていきたいところだ。
一方、攻撃面では最近、ヴィッセルが目指すべき戦いができ始めているのも事実。今、その攻撃で際立つ存在も、山口だ。第23節浦和レッズ戦で神戸加入後初ゴールを決めると、第24節サガン鳥栖戦でも2得点をマーク。前節の札幌戦でも惜しいシュートを放つなど、積極的にゴール前へ上がっていくシーンが目立っているだけに、今回もゴール前に果敢に飛び出して得点に絡む背番号5のプレーに注目したい。
そして、どんなときも常に支えてくれるクリムゾンレッドのサポーターの存在も、当然、山口の力になっている。「今年は、結果が出なくてすごい苦しい時期もあったなか、今も勝ったり負けたりの状況が続いていて、なかなか下から上に抜け出せない状況ですが、そのなかでも、ホームはもちろん、アウェイでもたくさんサポーターの方が来てくれています。そのサポーターに応えるためにも、僕たちはもっとやらなくちゃいけない。僕たちもサポーターのことは信じているし、サポーターの方々も僕たちのことを信じて、これからも変わらず、今までどおり引き続き温かく応援してもらえればうれしいなと思います。選手たちはそれに応えられるように、1試合1試合しっかり、残り少なくなっていましたが、頑張っていきたい」と、丁寧に言葉を紡ぎだしながら思いを述べた、山口。その背中で、そのプレーで、フルタイム途切れることのない豊富な運動量で、ヴィッセルを鼓舞する『蛍』が、ますます光り輝いていけば、自ずとチームは高みに進むことができるはず。これからも山口蛍の奮闘を見逃すわけにはいかない。