雄大な北アルプス、そして、のどかな田園地帯が広がる、長野県中部の安曇野市。その広大な田園を使ったアートイベント「信州安曇野田んぼアート2021」が、同市の安曇野スイス村で開催されている。
米どころでもある安曇野で2019年からスタートし、今年で2回目を迎えたこのアートイベントは、水田を1つの大きなキャンバスに見立てて行われる。
今年のテーマは、「大相撲の御嶽海関」。長野県木曽郡上松町出身、出羽海部屋所属の現役大相撲力士である関脇・御嶽海久司が描かれている。
ここまで細かなデザインに仕上がっているのは、精密な作業によるものだ。まず、何もない広大な水田に、デザインの下絵を測量作業により映していく。色味を分けるために、7種類の色が異なる稲を選び、1センチ単位で図り、1ポイントずつ杭打ちを行う。この測量作業日程が、なんと4日間。
測量を終えると、次は田植え作業だ。稲の色が場所によって異なるため、手植えでの作業がおよそ3日間。その後、一部の背景となる田植えを機械で行う。この田植え作業に、関わっているのは、延べ500人。
「イベントがスタートした6月19日あたりよりも、稲が成長して、アートも見ごろを迎えています」というのは、安曇野市観光交流促進課の古畑瑞恵さん。「屋外にある展望台から信州のさわやかな風を感じながらアートや景色を楽しんでほしいです」と述べていた。