サッカー・J1のヴィッセル神戸は12日、FW藤本憲明選手(31)がJ1の清水エスパルスへ期限付き移籍することが決まったと発表した。期間は、今シーズン終了まで。なお、藤本選手は契約により今シーズン、ヴィッセルと対戦するすべての公式戦に出場することができないとのこと。また、FWアユブ・マシカ選手(28)と、双方合意の上、契約を解除することが決まったこともあわせて発表している。
1989年8月19日生まれ、大阪府富田林市の藤本選手は、JFLからJ1まですべてのカテゴリーを経験し、ゴールを決めてきたストライカー。ヴィッセルには2019年シーズン途中から加入すると、その年の天皇杯では決勝戦で殊勲のゴールを決めるなど活躍し、クラブの初タイトル獲得に大きく貢献。ヒーローインタビューで「ラッキーボーイでーす!」と自ら発するなど、その明るいキャラクターも特長で、ムードメーカーとしても貴重な存在だった。昨シーズンはJ1リーグ戦で28試合出場6得点という実績を残していたが、今季はここまで9試合無得点。先発での出場機会は3試合にとどまっていた。
藤本選手はクラブを通じてコメントを発表。「清水エスパルスに期限付き移籍することになりました。チームの目標達成を成し遂げたい、貢献したいと今も思っています。今の雰囲気、勢い、チーム力なら必ず達成できると信じています。ただ個人的な結果、目標から目を背けるわけにもいかず、この様な決断に至りました。大好きなファン、サポーターの方々に申し訳ない気持ちと言うより、感謝しかありません。どんな時でも盛り上げて、鼓舞してくれて、一緒に喜んで、いつもゴール裏は最高の雰囲気でした。その最高のゴール裏の前に再び立つためにもエスパルスで成長して、そこで結果を残して、また成長した姿で勝利の喜びを共に分かち合いましょう。トモニイコウ VAMOS VISSEL」と、藤本選手らしく気丈に思いを述べている。
一方、1992年9月10日生まれ、ケニア代表のアタッカーでもあるマシカ選手は、今年3月にヴィッセルへ加入。新型コロナウイルス感染拡大の影響による隔離期間を経て、4月17日のJ1第10節湘南ベルマーレ戦でJデビューを飾ると、身体能力の高さと類まれなスピードで注目を集め、主にスーパーサブとしてプレー。JリーグYBCルヴァンカップのグループステージ最終戦で2得点を決めたが、リーグ戦では8試合に出場もゴールがなかった。
「残念なお知らせになってしまいましたが、家族のことや出場機会をなかなか得られなかったこともあり双方合意のもと契約解除に至りました」と、今回の経緯を語ったマシカ選手。「短い間でしたが、クラブの選手やスタッフの皆さんには温かく迎え入れてもらい、サポーターの皆さんにはたくさんの力をもらい本当に感謝しています。サッカーの世界のどこかで必ずまたみなさんにお会いできると信じています。すべての皆さんの今後の活躍を祈っています」と、クラブを通じてサポーターに感謝を述べていた。
なお、今夏ヴィッセルから離れたのは、藤本選手、マシカ選手のほかに、FW古橋亨梧選手(26、セルティックFC/スコットランド)、MF増山朝陽選手(24、大分トリニータ)、MF安井拓也選手(22、FC町田ゼルビア)。一方で、元日本代表FW武藤嘉紀選手(29)、日本代表FW大迫勇也選手(31)、元スペイン代表でFCバルセロナ出身のボージャン・クルキッチ選手(30)といった実績ある3人のストライカーが新たに加わることが発表されている。